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やりたくない仕事との向き合い方

多くの人はやりたくない仕事を我慢してやっている


やりたくない仕事って誰にでもあるというか、けっこうたくさんの人がお金のためにやりたくなかったりつまらないと思う仕事を我慢してやってるところがあると思うんですよね。
私もあまり気乗りがしない、やりたくないけどやらないといけない仕事があったりしたわけですが、最初は気乗りしなかったものの、最終的には仕事を頑張った思い出に切り替わったことがありました。
いかにして「やりたくない仕事」が「頑張ってよかった仕事」に変化するために何が必要だったのかを自分の経験をもとに解説してみたいと思います。

広告代理店に所属しながら、広告業務が好きではなかった


以前、ネット系の広告代理店で働いていたのですが、広告業務自体はそんなに好きではなかったんですよね。本当は新規事業の立ち上げなどに携わりたくて、その部門への募集に応募して入社したのですが、何かのはずみで、自社が運営するメディアの仕事を担当することになったんです。
自社で運営しているメディアにクライアントさんから広告費をいただいて、広告を掲載するお仕事だったのですが、広告業務が好きではなかったので、正直テンションは低かったのです。ただ、お金をいただいているわけなので、一応の責務を果たさなければいけないという使命感は持っていました。

あるとき、手のかかる広告案件が舞い込んできた


あるとき、自社で運営するメディアにクライアントが協賛するキャラクターたちを登場させるという企画型の広告案件が入ってきたんです。この手の企画型広告は、純粋な広告掲載案件と違って手間がかかります。さらにクライアントが外資で、キャラクターを扱う広告だったため、キャラクターの権利関係が絡んで権利関係が複雑になり、めんどくさい状況になっていたんです。

親会社の営業部門が獲得した案件だったのですが、権利関係の整理がうまくいかず、停滞しているようでした。これもキャラクターを扱う広告あるあるなのですが、権利を扱う会社や部門が複雑になっていて、いろいろなところをたらい回しにされて、利用許可が降りない状況だったようです。

そのまま何も連絡がなく、スケジュール的にも差し迫っていたので「このままでは失注するだろうなぁ」と思っていた矢先に、親会社の営業から突然号令がかかりました。しかも、集合場所は都内の某会社で、今から1時間後にここに来てくれという無茶な要求でした。

なぜその会社に行く必要があるのか意味が分からないまま急いで向かうと、会社の前で営業担当から招集された理由が説明されました。

「結局本国でキャラクターの権利の整理がつかなかった。日本における権利元はこの会社に一任されているという連絡が来たので、直接訪問して許諾を取ります。許諾が取れた上で、明日の朝イチでクライアントに広告企画をプレゼンしなければ失注するので、一気に事を進めるために関係者全員を集めました」

という話だったのですね。

謎のテンションで許諾をくれる担当者


その日、私たちが大勢で押しかけた権利元の担当者も、多少迷惑を感じていたかもしれませんが、とても良い人で、「自社がOKと言えばOKということでしたらどうぞ」と快く許諾をしてくれました。とりあえず許諾は取れたわけですが、明日の朝一のプレゼンテーションで企画を通さなければなりません。

その場で営業担当から「企画資料はいつできるか?」と聞かれたので「えー、夜の9時には」と答えたところ、権利元の担当者が「もう一声!」と励ましてくれて、「では夜の7時に」ということになりました。
権利元の担当者は広告案件が取れようが取れまいが一切関係がないにもかかわらず、謎のテンションで応援してくれたんですね。

社会人生活をしていると、時には驚くほど邪悪な人にも遭遇しますが、こういう人情味あふれる人に出会うこともあります。

無事に広告案件が受注できたものの…


その権利元の会社を出た後、企画案について内々での合意を取るために、近くのカフェで打ち合わせを行いました。ちょうどお昼を食べようと思っていた矢先に急に招集されていたので、サンドイッチをつまみながら企画のすり合わせをしたんですよね。その後、そのまま会社に戻って一心不乱に企画資料を作成し、約束通り夜の7時に営業担当に資料を送りました。

営業担当はその資料の内容に徹夜で肉付けをし、翻訳も行いました。そして、そのまま早朝からのビデオチャットでのミーティングに臨んだそうです。その結果、ぎりぎりのところで案件は受注となり、無事掲載されることになりました。
しかし、もともと失注寸前になるくらいの差し迫ったスケジュールで動いていたのにも関わらず、ある問題が持ちあがるんです。

一休さん的ひらめきで難事を解決するメンバー


今回の広告では、キャラクターを扱うことになっていたわけですが、メディアに登場させるためにはキャラクターを加工しなければならない状況でした。キャラクターの加工に関する条件は通常非常に厳しく、仕上がったキャラクターたちのクリエイティブも全て確認を取る必要があります。

制作に入ろうという矢先、キャラクターに関する掲載規定を読んで絶句しました。キャラクターは複数いますが
『キャラクター同士が同じ画面内に存在する場合、縮尺を守る必要がある』
とあります。
しかし、キャラクターの一人が何十メートルもの巨大な身長である設定で、同じ画面に配置することは不可能でした。しかし、メディア側の構成ではどうしても同じ画面に配置する必要がありました。

「こんなんじゃ、掲載できないじゃん」という絶望的な状況の中、メンバーの一人が
「そのキャラクターを白い枠線で囲って、これはキャラクターのポスターですということにすれば良いんじゃないですか?」
と提案しました。
それを聞いた瞬間、「天才か!」と思い、さっそくポスター状にして配置することになりました。

広告業界あるあるですが、キャラクターにしろタレントさんにしろ、時には掲載規定が掲載不可能なほど不条理な場合があります。しかし、そんな時にヒラメキで問題を解決する一休さんのようなメンバーがいると、裏技でクリアできるのです。これをポスターですという注釈を添えて許諾を取るのはドキドキするものでしたが、無事に了承が取れて広告を掲載することができました。

仕事が楽しいかどうかは、何をやるかよりも誰とやるか


この話はだいぶ昔のことですが、なぜこんなに克明に覚えているのかというと、「あのとき頑張ったなぁ」という感慨があるからです。たとえ大変で嫌な仕事だったとしても、頑張っておくと後に「あのとき頑張ったなぁ」と思える思い出になるんですよね。この案件の後の打ち上げも、「絶対に失注になると思いましたね」と言いながら、とても盛り上がりました。

「なぜ頑張って良かったと思えたか」というと、無事に広告が掲載できたからです。どんな仕事でも、推進して達成することができればやりがいを感じるわけです。

また、これが良い思い出になったもう一つの理由が、関わったメンバーが優秀で良い人たちだったということです。たとえやる仕事に気乗りしなくても、熱意のある優秀なメンバーと一緒に一生懸命仕事をすれば、だいたい良い思い出になります。そういった仕事は後の糧になるし、思い出として時に人生を少し温めてくれることもあるんです。

嫌だなあと思う仕事を楽しむためには、以下のことが大切だと思います。

  • どんな仕事でも、前に進めて達成することは楽しい

  • 優秀で良い人たちと取り組むことができればなおさら

  • だから、とりあえず頑張っておくと、後々良い思い出に変わる


ただ、ものすごく大変な仕事なのに、周りのメンバーが嫌な人ばかりだった場合は、自分が潰れてしまう前にさっさと逃げた方が良いと思います。

いずれにせよ、仕事が楽しいかどうかは、何をやるかよりも誰とやるかが重要だと思います。


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