ICYMI: 荒天や夜間でも最大20時間飛行できる「翼竜−2H」のような災害時の情報収集などを実行する災害救助用ドローンを初動派遣し、まず災害地域全域の被害全体像を把握する共通状況図を作成することが必要。他の手段と比較して全容を把握できるのがドローンの利点。

共通状況図（Common Operational Picture）は避難、捜索、救助、支援など全ての災害救援活動のベースとなるもの。そのため、まずは「翼竜−2H」グレードのドローン（UAV）で災害地域全域のデータを収集し、共通状況図を作成することが要諦。当該グレードの災害救助用ドローンであれば、建物の倒壊、道路の寸断、港湾の被害、海岸線等の地形変化、通信障害状況など共通状況図の作成に必要なデータ収集を一回の飛行・短時間で完結できる。また、短時間での情報アップデートも可能。

しかし、日本は自然災害大国であるにも拘らず、残念ながら「翼竜−2H」グレードの災害救助用ドローンは配備されていない。配備されていないので、今回の能登半島地震でも初動派遣することはできなかった。有効な共通状況図がない中での災害救援活動は手探りにならざるを得ない。

これまでも政府・与党や防衛省に「翼竜−2H」グレードの気象観測災害救助用ドローンの配備を提案してきたが却下されている。

一口に「ドローン」と言ってもピンキリで、災害時に必要とされるドローンもフェーズ毎・役割毎に異なるが、ドローンが他の手段と比較して特に優位性を活かせるのは上述した悪天候・夜間でも飛行できて短時間で空から災害被害の全体像を把握できる能力である。

過去に私たちのチームが神戸市と協定を締結していたとき、遭難者捜索などでドローン出動し、消防と共に活動していたが、特定エリアでの状況把握や捜索、物資の輸送などは航空法第132条の92の適用を受けた民間ドローン事業会社でも何とかお役に立てるとしても、ベースとなる共通状況図がない中では手探りで非効率なものとならざるを得ない。

災害時の初動とは闇雲に突っ走ればよい訳ではない。まずは災害被害の全容を迅速に把握することが重要。現在、それを最も短時間で効率的に実行可能な手段がドローン（UAV）となる。

これはドローンの得意分野。米国の一部では110番緊急通報でドローンが飛んで来て現場や犯人の動画・写真を撮影、共有する。また、自律型ドローンのBVLOS巡回飛行によるAI自動警備・監視・点検システムもある。テクノロジーの利用。#ドローン

☑️ 緊急通報でドローン出動。110番（米国では911番）緊急通報でドローンが出動する代表的な警察署としてはカリフォルニア州のチュラビスタ警察署が有名。警察ドローン出動の問題としては導入以来プライバシーの懸念が議論されている。
・FAA Gives Chula Vista PD’s Drone Program Special Permission to Operate in Low Altitudes
https://nbcsandiego.com/news/local/chula-vista-pds-drone-program-given-special-permission-by-faa-to-operate-in-low-altitudes/2360811/
・Police Drones Are Starting to Think for Themselves
https://nytimes.com/2020/12/05/technology/police-drones.html

☑️ 自律型ドローンによるAI自動警備・監視・点検システム。代表的なシステムとしては、1人のオペレーターで最大30機のドローンを同時BVLOS遠隔操作・フリート運用させることの認可をアメリカ連邦航空局（FAA）から受けているイスラエルPercepto社のドローンインボックスが知られている。もちろん、ドローンは全天候型であり、システムとして夜間を含む24時間365日運用可能。
・【ドローンにパイロットは不要】日本でも全自動ドローン運用開始
https://note.com/medical_drones/n/n2bcb3da5e683
・【自律型ドローン30機ワンオペ認可】
https://x.com/iw_toshiki/status/1730023944630292795

☑️【災害時のドローン活用】ドローンで地震被害状況把握リアルタイム情報収集
https://note.com/medical_drones/n/n6fc33f748f1f

《石川県内の被災地に防犯カメラ１００台設置へ…警察庁、空き巣などの犯罪抑止図る》https://yomiuri.co.jp/national/20240116-OYT1T50164/