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読了「UXデザインの法則」まとめと感想

「UXデザインの法則」という書籍を読みました。
とても勉強になったので、後で思い出せるよう、印象に残った部分のまとめと感想を残します。


どんな事が書かれているのか

10の心理学の法則を各章で紹介(プラスの2章でコラムが載っている)。
いずれも事例が複数載っており、概要や結論に分かれていて分かりやすい。

気になった法則の備忘録

ヤコブの法則
ユーザーは他サイトで多くの時間を費やしているので、あなたのサイトにもそれらと同じ挙動をするように期待している。

デザイン作成する際に、依頼元から「〇〇サイトの様に〜」といった指示があり、WFが競合サイトのコピペだったりするとモチベーション上がらない事もあったりするのだが、この法則は最たるものなのかと思ったが、そういう事ではないらしい笑。

ヤコブの法則とは「すべてのプロダクトや体験が完全一致していなければならない、と同質化を提唱するのではなく、むしろユーザーが新たな体験を理解するためには過去の経験を活かす必要がある、という事を刻む為の原理原則」という事。

「デザイナーは独創的である前に、ユーザーのニーズや文脈、それと技術的な制約を考え、最適な方法を選び抜かないといけない」という箇所にもハッとさせられた。強く意識していきたい。

ヒックの法則
意思決定にかかる時間は、とりうる選択肢の数と複雑さで決まる。

ジャム理論は覚えていて、ヒックの法則を実証したものなのかな、と思った。

ごちゃつきを抑えて分かりやすくシンプルに、というのは常に心掛けているが、「単純化し過ぎるとタスクの実行や情報発見が難しくなりかねない」という部分も気を付けなければならない、と思った。

ジャム理論:
スーパーにジャムを陳列し、以下のパターンで売れ行きを調査。
①ジャムを「24種類」で販売 ②ジャムを「6種類」で販売
結果は以下のとおり。
①24種類の場合:購入率 3(試食する人多い、試食後の売れ行き不調)
②6種類の場合:購入率 30(試食する人少ない、試食後の売れ行き好調)
以上から、人は「選択肢が多すぎると、人間は選択をやめてしまう」という事が分かる。

ミラーの法則
普通の人が短期記憶の保持できるのは、7(±2)個まで。

考えを改めさせられた章。私も「メニューなどの選択肢は7つ以下にした方が良い」と記憶していたが、その認識が正しくないという事。

ミラーの法則とは「コンテンツを小さなチャンク(かたまり)化し、ユーザーが理解し記憶しやすくする為の整理方法」という事のようだ。

情報をどうチャンク化するか、が重要な事なんだと感じた。

チャンク:
短期記憶が可能な情報の単位を指す言葉。例えば単語や一連の数字。

美的ユーザビリティ効果
見た目が美しいデザインはより使いやすいと感じられる。

見た目の美しいデザインと本来のユーザビリティの相関関係を示した実験内容が面白い。

「見た目が美しいデザインは、本当のユーザビリティの問題を覆い隠し、課題発見を邪魔してしまう恐れがある」と締め括られており、本質を見失わないよう、気を付けなければならない、と考えさせられた。

フォン・レストルフ効果
似たものが並んでいると、その中では他とは異なるものが記憶に残りやすい。

これもよくやる手法だが、「あまりに多くの要素が視覚的に競合しあうとその力は薄れ、他の要素に埋もれてしまう」のは慎重に検討しなければならない、と常に感じる。バナーブラインドネス(広告だと認識されたものが無視される性向の事)も気を付けたい。

アクセシビリティにも触れていて、色だけに頼ると視覚障害者に正しく伝わらなかったり、動きに対して敏感なユーザーへの影響も注意しなければならない。

改めて、自分のデザインにはもしかしたら、自制心が足りていない部分が多いのかもしれない笑 見つめ直したいと思う。

その他に紹介されていた法則

フィッツの法則
ターゲットに至るまでの時間は、ターゲットの大きさと近さで決まる。

事例にのっていた「簡易アクセス」機能は、リリース当初は「苦肉の策」と感じていたのだが、今や頻繁に使う機能になった笑。

ポステルの法則
出力は厳密に、入力は寛容に。
ピークエンドの法則
経験についての評価は、全体の総和や平均ではなく、ピーク時に終了時とどう感じたかで決まる。
テスラーの法則
どんなシステムにも、それ以上減らすことのできない複雑さがある。複雑性保存の法則ともいう。
ドハティのしきい値
応答が0.4秒以内の時、コンピューターとユーザーの双方がもっとも生産的になる。

最後に

知っている事も多かったけど、勘違いしていたり改めさせられたり、気づきが多かったと思う。

全体を通して、文章が読みやすく、事例も古くなく共感できた。
そして、なんと言っても書籍が薄く実技書としてはリーズナブル!
おかげで手に取りやすく、挫折せずに読み切る事ができた笑。

おすすめの書籍です。


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