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美術

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美術館巡りを趣味にしたい。
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記事一覧

美術展が好き。 |「マティス 自由なフォルム」展を、”自由に”鑑賞してみた

今回は、国立新美術館で2024年2月14日~5月27日に開催中の、「マティス 自由なフォルム」展について。 マティス、好きなんですよね。最初に開催案内を目にしてから、この美術展には絶対に行こうと決めていた。 美術展に足を運ぶのは久しぶりだったが、「そうそう、これこれ!」と楽しさを再認識して、今年もたくさん美術館へ行こうと決意した。 そして今回は、いつもとは異なる”自由な”鑑賞スタイルで、展覧会を回ってみた。 結果として、これまで美術展を見て回るときにうっすら感じていた

美術展が好き。 |モネ、モネ、モネ。光に溺れる美術展

先日、上野の森美術館で開催中の、「モネ 連作の情景」展に行ってきた。 「100%モネ」というキャッチコピーの通り、本企画展で展示されている作品は、初めから終わりまで、すべてモネ。 国内外各地の美術館から、モネの絵画が一堂に会する、またとない贅沢な機会だ。 このところ引っ越しで忙しく、美術館に足を運べない日々が続いていたが、「これは見逃せない!」と上野へ直行。モネは、私が最も好きな芸術家のひとりだ。 光に溺れる美術展 もし「光を描いてみて」と言われたら、あなたならどう

美術展が好き。 |ウェス・アンダーソンとアンリ・マティス

前回の「美術展が好き。」から、気づけば3ヶ月以上。ちょこちょこ美術展に足を運んではいたが、なかなかnoteを書けていなかった。 久しぶりの「美術展が好き。」は、そんな空白の3ヶ月間に行った中でも、特に良かった2つの美術展について。 天王洲で開催されていた「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」と、上野の東京都美術館で開催されている「マティス展」。 どちらも、”色彩”に魅了される展示で最高だった。 天王洲|ウェス・アンダーソンすぎる風景展 ウェス・アンダーソンは、アメリカ

美術展が好き。 |『small MUJI』展 -日用品のたのしみ方-

慌ただしく過ぎていく毎日。同じような日々の繰り返しから抜け出したくて、仕事を早めに切り上げ、銀座に向かった。 そこには、私たちが暮らす世界と非常に密接な、それでいて全くの別世界があった。身近な日用品が織り成す、小さいけれど、どこまでも広がる世界。 今回は、無印良品銀座店の「ATELIER MUJI GINZA Gallery」で4/23まで開催されていた、「『small MUJI』展 -日用品のたのしみ方-」の感想レポを書く。 『small MUJI』展 -日用品のたの

美術展が好き。 |ルーヴル美術館展 愛を描く

ルーヴル美術館。 美術好きにとって、憧れの地。 ルーヴル美術館は、フランス・パリのセーヌ川右岸に位置する、世界最大級の美術館である。1793年開業。元々は12世紀に建造された城塞だったものが、幾度も増改築を繰り返して現在の美術館になった。 40万点近い美術品を所蔵しており、総面積はなんと6万平方メートル。展示されているのはそのうち数万点だが、それでも1日では見て回れないほどの規模だ。 レオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》や《ミロのヴィーナス》、ドラクロワ《民衆を導

美術展が好き。 |ピカソとその時代

2022年に続き2023年も、美術館に通いたい。 そして年の暮れには、胸を張って「美術鑑賞が趣味です」と言えるようになっていたい。この「美術展が好き。」シリーズは、そんな願いを持つ男が、適当に呟く独り言だ。 昨年末に、川内有緒さんの『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』という本を読んだ。 この本を読み、私の芸術鑑賞に対するイメージが拡張された。一言で言えば、「芸術鑑賞に正解はない」ということが、ようやく分かった。 作品が制作された背景や、作家の生い立ち、当時の歴史

美術展が好き。 |特別展「毒」

国立科学博物館|特別展「毒」 趣味で書いている「美術展が好き。」だが、第3回にして、早くも美術展ではないものを取り上げる。 今回は、上野の国立科学博物館で11/1〜2/9まで開催されている、特別展「毒」をレポートする。国立科学博物館では初となる、「毒」をテーマにした特別展。「この世界は、毒だらけ」というフレーズに惹かれ、足を運んだ。 「毒」というキケンな香りのするものをテーマに、各分野のスペシャリストが結集して作り上げられたのが、今回の特別展「毒」だ。 QuizKno

美術展が好き。 |特別展アリス —へんてこりん、へんてこりんな世界—

喋る白ウサギを追って大きな穴に飛び込むと、その先には不思議な世界が広がっていた。 身体の大きさが変化する食べ物、ウサギと帽子屋のおかしなお茶会、チェシャ猫、トランプ兵、公爵夫人の裁判——目まぐるしく場面が移り変わる物語は、ユーモアに溢れ、子供はもちろん大人も楽しめる。 ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』は、19世紀にイギリスで刊行され、以来世界中で愛されているファンタジー小説だ。小説はもちろん、アニメ、映画、演劇など、「不思議の国のアリス」のコンテンツは、全世界で成

美術展が好き。 |自然と人のダイアローグ

美術館に行くのが、好きだ。 私にとって芸術は、日常生活の対岸に存在する、非日常的なものだ。辛く険しい現実を忘れさせてくれる、特別なもの。月に1回くらいの緩いペースで、興味を持った美術展に足を運んでいる。 せっかくなので、私が美術展を訪れた感想を、まとめてみようと思った。それが今回から始まる「美術展が好き」である。 私は美術の専門知識を何ひとつ持ち合わせていない。絵心もない。「美術展が好き」で書かれるのは、ただ絵を眺めるのが好きな素人が適当に呟く、感動の言葉である。 国

角川武蔵野ミュージアムに行ってきた話

みなさん、こんにちは。 むささびです。 先日、埼玉県所沢市にある角川武蔵野ミュージアムに行ってきました。 読書界隈では有名な、壁一面の巨大本棚があるあの博物館です。 写真右の岩みたいな建物が、角川武蔵野ミュージアムです。変わった形の外観は、隈研吾さんという方が設計を手掛けたのだそう。壁画のクセ。 天井まで続く壁一面の本棚、「本棚劇場」。圧巻です。30分に1回、この巨大な本棚全体にプロジェクションマッピングが投影されます。 見渡す限り、本、本、本。幸せです。本の配置