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世界をサンプリングするK-POPと世界にサンプリングされるJ-POP

K-POPはすごい

端正な顔立ちに抜群のスタイル。驚くほど長い手足が豆粒ほどの顔の下にはえている。
アジア人で欧米のハイブランドの服を着こなせるのは韓国のスターくらいかもしれない。
ファッションもメイクもみんな韓国がリードしていて、アジアの若い子達が「韓国人みたいに私も僕もなりたい!」というのも頷ける。

ファッションにドラマ、音楽、Webtoon…
今間違いなくアジアの各種コンテンツを引っ張っているのは韓国のエンターテインメント。

その中でも特に目立つのはK-POPの存在。
BTSと聞いてその名前を知らない人はいないはず。

けれどK-POPのすごいところはBTSだけじゃない。
BTSに限らずBlack Pinkなどの人気グループのサウンドはしっかりと“世界向け”にチューニングされている。

つまり、K-POPは“世界で売れる曲の作り方”がなされているとも言えるわけ。

世界で売れている曲はだいたいなにかしらの曲をサンプリングしている

よく韓国は“パクリ文化”などと揶揄されることもあるけれど、音楽の世界では“パクリ”は珍しい事ではない。
誤解の無いように補足(訂正)しておくと正確には著作権侵害にあたる“パクリ”は当然NGだけど、“サンプリング”はオッケー。

サンプリングとは

音楽用語で、ある録音された楽曲や音源の一部を切り出し、それを新たな楽曲の一部として用いる手法を指す。

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たとえばDua Lipa(デュアリパ)のBreak My Heartだって
INXSのNeed You Tonightをサンプリングしてる。

(因みにデュアリパ様はかなりの楽曲で80年代の曲をサンプリングしてるイメージ)

特にここ数年は80's~90'sのエモめな曲がリバイバルサンプリングされてる印象。
(リバイバルサンプリングなんて言葉があるかは知らないw)

例に漏れずK-POPもかなりこのサンプリングを使ってヒットを生み出していて、
BTSのマイドロ(MIC DROP)はMissy ElliotのGet Ur Freak Onを超クールにサンプルしている。

近年のBTSのヒット曲Butterも、QueenのAnother One Bites The Dustをオマージュした楽曲なのは有名な話。
(オマージュとサンプリングの違いとかって話は一旦脇に置いとく)

なにが言いたいかというと、K-POPはしっかり世界をターゲティングしていて、世界をサンプリングして、世界のマーケットで売れる曲作りをしてきているということ。
これが出来ているのがホントすごい。

哀愁のJ-POP

一方の我らがJ-POP。
善し悪しは置いといて、ハナから世界をターゲティングしてない。
嵐がBruno Marsに曲を書いて貰った事もあったけれど、違うそうじゃない…

これは個人的な好みだけど、「昭和の歌謡曲」と言われる曲は超すごいしイケてると思ってる。(語彙力)
美空ひばり、テレサ・テン、欧陽菲菲…昭和の歌謡曲って日本人の心?大和魂?なんかぐっっときて、お涙ちょちょ切れな名曲がたくさん。
そう、「日本人の心」とか「大和魂」みたいなところに落ちついてしまうわけ。

でもそんな歌謡曲全盛期な時代に同時に流行ってたのが“シティ・ポップ”というジャンル。
今聞くと、なんだかシティーハンターとかを思い出してちょっとノスタルジックな気持ちになるアレ。
ドラゴンボールのエンディングの“ロマンティックあげるよ”とか。

そんな日本の“シティ・ポップ”がアメリカでサンプリングされまくってるってよ

サンプリングされまくる日本のシティ・ポップ

冒頭で80'sや90'sがリバイバルサンプリングされているという事を書いたけれど、
昔流行ったファッションがまた流行るのと同じで、音楽もそういう流行の再来というのはあると思う。

でもここで取り上げたいのは日本の“シティ・ポップ”が結構サンプリングされてるよね、という話。
(「されまくってる」は正直ちょっと盛りすぎたかも。)

グラミーのあれやこれや色々と話題になったThe weekendのOut of Timeを聞いたときは
「おやおやおや?」と思ったよね。

安蘭知子Midnight Pretendersをがっつりサンプリング。
どちらも…良い曲❤️

アメリカのシティ・ポップブームの到来で、すでに日本の昭和のシティ・ポップがいくつもサンプリングされているけれど、日本ではそこまで話題になってない印象。なぜ…?

Youは何しに日本へとか、日本視察団とか、テレビでは外国からどうみられてるのか、
どんな評価を受けてるのかすごく気にする国民性なのに、アメリカのシティ・ポップブームが話題になってないのはちょっと不思議。
それだけ日本で音楽が下火コンテンツなのかしら?

日本のコンテンツに思うこと

そもそもなぜこの文章を書こうかと思ったかと言うと、理由は2つ。

ひとつめは
日本のコンテンツ力は落ちてしまったと日頃感じていたからと
ふたつめは
日本は世界をターゲティングしてないんだということ。  

つまり、日本のコンテンツってガラパゴスだよね。
と感じたわけです。
これは悲観的では無く、ある意味良い事なのかもしれないとも感じる。

韓国は韓国の市場だけでは稼げないから世界に出て行く必要があった。
日本も実はちょっぴりそうなりつつあるんだけど、まだなんとか日本市場だけでも稼げない訳ではない。
(これは音楽だけに限らず、他の殆どの分野でそう。)

実は今でも日本の音楽市場は、アメリカに次いで世界第2位の規模。
だから、さっきは音楽人気が下火かもとは書いたけれど世界的に見たらそうでもない。

K-POPが日本市場を外さないありがたい理由はこの辺りにもある。
もしかしたら平成の音楽大ブームが異常だったとも言えるかもしれない。

今回は音楽に絞ってみたけれど、日本の文化は稼ぎ頭として世界に羽ばたくべきなのか
それとも日本独自の文化としてそのスタイルを守って行くのか…
どうあるべきなのかは私には分からないけれど、
今後も韓国のエンタメの快進撃を見守りつつ楽しませて貰いたいと思ってます。

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