見出し画像

#映画感想文289『ゆとりですがなにか インターナショナル』(2023)

映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』(2023)を映画館で観てきた。

監督は水田伸生、脚本は宮藤官九郎、出演は岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥、安藤サクラ、仲野太賀、木南晴夏。

2023年製作、116分、日本映画。

基本的にテレビドラマが映画化されたものは観に行かない。日本映画が駄目になった元凶だとも思っている。ただ、『ゆとりですがなにか』はリアルタイムで視聴して、すごく楽しかった記憶があり、テレビで放送されるのを待つのも、huluに入るのも嫌だったので、観に行ってきた。

期待通り、面白かった。松坂桃李が演じる山路のなんと気持ち悪いことよ。女性を品定めするルッキズムと女性差別的なところをもうちょっとツッコむ人がいてもよかったかな、と思う。とはいえ、すべての脳内の一人相撲なので、そんなに責めなくてもいいのかもしれない。

坂間(岡田将生)は、妻の茜(安藤サクラ)とうまくいっておらず、酒蔵の経営もうまくいっていない。白眉なのは、ハロウィンの日に、悪酔いしたゆとり世代の坂間が、Z世代の大学生に絡んで返り討ちにあい、バールで殴られ血まみれになるシーンだ。警察官(DJポリス風)のところに行っても「お兄さんのゾンビのメイク、すごいねー。リアルだねえ。あっちに行ってね」と相手にしてもらえない。

ようやく、流血が本物だと認識してもらえると、「バールのようなもので殴られました。いや、バールそのもので殴られたような…」という、バールで殴られたことを説明する人を生まれて初めて目にできたという感動があった。(バールのようなものって何だよ、と思い続けて三千里だったので喜びもひとしおであった)

クドカンらしいハイテンションな脚本で、まあ、みんな声を張ること、張ること。

テレビドラマが放送されたのは2016年。この7年で一番出世したのはどう考えても仲野太賀である。仲野太賀の猛追を主演の三人も感じていたのではないか。出演シーンも結構長かった。

いろいろインターナショナルなのだが、日本が落ちぶれてしまったことも、モチーフのひとつになっており、苦味もあった。(続編も作られるみたいです)

この記事が参加している募集

映画感想文

チップをいただけたら、さらに頑張れそうな気がします(笑)とはいえ、読んでいただけるだけで、ありがたいです。またのご来店をお待ちしております!