母の愛情。 おかあさんはね@絵本メモ
◎おかあさんはね
私が「絵本っていいな!」と思うきっかけになった絵本。子どもを思う母親の気持ちがやさしく綴られている。
──おかあさんはね、ときどき風にお願いするの。
そんな一文からはじまる、母から子への想いと願いが込められた絵本。
久しぶりの絵本メモ更新なので、初心に戻るということで、いちばん印象深い絵本を取り上げてみた。
実は私がこの絵本に出会ったのは、まだ息子が産まれる前、妊娠する前、不妊治療中であった。
治療の継続について悩んでいたとき、母から援助の申し出があった。もし金銭的なことで続けるか悩んでいるならサポートさせて、と。
当時の私は「結婚して家を出た身なのに、親から援助をしてもらうなんて申し訳ない」と思っていた。だが、「あなたの笑顔が見たい」そう言ってくれた母に甘えることになった。
けれど、ずっと申し訳なさというか罪悪感みたいなものがあり、治療がうまくいかないこともあり、私はすっかり沈んでいた。
そのときに出会ったのが、この絵本だった。
「ああ、私の母もきっと、こんな風に私を想って育ててきてくれたんだな。そしてそれは、今も変わっていないんだな」
絵本を読んで、そう感じた。
偶々寄った書店で、偶々手に取った絵本。
涙が溢れてきて、そしてようやく、母の好意を、愛情を素直に受け取ることができた。
私に大事なことを気づかせてくれた絵本である。
そして今私は、未熟ながらも母になった。
幸運なことに、母としての立場でもこの絵本を読むことができている。
子育てが辛くなったとき、イライラしたとき、この絵本は大切なことを思い出させてくれる。
私はこの子を愛しているのだ、ということを。
子育てに悩んだっていい。疲れて、愚痴を吐いてもいい。
「私はこの子を愛している。そして私も、愛されて育ったのだ」
それさえ忘れなければ、きっと大丈夫。
お母さんにも、そうでない人にも、オススメできる絵本である。
最後に私が一番好きなフレーズを紹介して、今回の記事を終わる。
──いそがずに ゆっくりと 大人になりますように
子どもらしい子ども時代をたくさん経験して。
あなたらしく、ゆっくりと大人になっていってね。
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