愛の扉

いくらノックをしても
その扉は開かない
何故ならそれは愛の扉だから
その人が持っている愛の扉の中は
カラッポだから
永遠に開かない
偽りの愛そんな扉を外界で見つけた
その扉はゆっくり開いて
優しい顔を見せた
やっと見つけた
そう思った
家に帰って真っ暗な廊下を
走り続けて探した
そして見つけた偽りの愛の扉
ノックした
同じようにゆっくり扉は開いて
優しい顔が見えた
ホッとした
でも優しい顔は鬼の顔に変わった
条件を満たせば
また優しい顔を見せた
私は必死に期待に応えて
時々見せる優しい顔のためだけに生きた
その人の優しい顔の裏に
いつもある鬼の顔を
何故なのか考えることもなく
これが愛だと思ってしまった
私はその扉を
世の中でいう愛と同じだと思ってしまった
愛とつけば
それはみんな同じだと思っていた
本物の愛がどれかなんて
考えることもなかった
だって生まれた環境の中で
子供は生きるしかないわけだから
そこにたまたま
愛の扉がなかったとしても
それはいつしか
あたりまえになっていく
あたりまえになっていた

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