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子ども用日本語教材の勉強会を開催

みなさん、こんにちは。
 実は自宅のインターネットが雷にやられ、ネットなしの生活を強いられています。異国でインターネットにアクセスできないのがこんなに不便でつまらないものだとは思いませんでした…。そんなわけで投稿も少し前の内容になりますが了承の上お読みください。
 私が住むアルゼンチンのブエノスアイレスは夏の終わりを迎えています。夏中、虫刺されに悩まされていたので、職場の人に「いつ蚊がいなくなるの」と聞いたところ、「南風が吹いたらね」と言われ、一瞬意味がわかりませんでした。ここ南半球では、冷たい風は南から吹くのですね。それもなんだか楽しみです。
 さて、そんな夏の終わりのひな祭りの日に『わくわくにほんご』という子ども向け日本語教科書の勉強会を実施しました。このテキストは国際交流基金カイロ日本文化センターの専門家チームが開発したものです。
 はじめは「エジプトの子どもが日本語?」と不思議に思いました。実はエジプトは日本政府の支援を受けて、2018年から公立小学校に「特活」と呼ばれる日本式教育を取り入れているのです。日直、学級会、掃除など、日本的な活動をすることで子どもたちの心を育てようという試みです。
 この流れを受けて日本語への関心が高まり、日本になじみのない先生たちでも子どもといっしょに学べるようにという目的で作られたのが『わくわくにほんご』です。当初はアラビア語版のみだったそうですが、各方面からの要請で日本語版もできました。先生のための「レッスンプラン」(教案+指導書)も完備されています。もちろんすべて無料で、誰でも入手することができます。
https://padlet.com/jfcairojlea/waku-waku-nihongo-ctut0b7jmb0m1c4t
 アルゼンチンの日系社会では、子どもたちに日本語、日本文化を学ばせたい思いはあるものの、時間やお金の制限があり、日本から縁遠くなってしまった家族も少なくないと聞いています。こんな手軽な教材なら、とっかかりとして使えるのではないかと思い、オンライン勉強会を開催することにしました。アルゼンチンのみならず、ウルグアイからの参加者も迎えました。
 先生たちの関心は高く、ローマ字とひらがなの併記の是非、内容が足りない部分はドリルなどが補足で必要ではないか、カラフルで日本の文化を子どもに教えるのにちょうどよい、などなどさまざまな意見が出ました。
 最後には「エジプトなので表紙がピラミッドになっているけど、アルゼンチンならやっぱりオベリスコ(ブエノスアイレスを代表するモニュメント)だよね」「食べ物の課にはエンパナーダ(庶民の味方、焼き総菜パン)を入れたいね」など、『アルゼンチン版わくわくにほんご』の編集に向けて、ムードが高まってきました。
 私の立場は現地の先生たちの活動を支援することなので、私もわくわくしてきました。力を合わせて『アルゼンチン版わくわくにほんご』『ウルグアイ版わくわくにほんご』が完成する日を楽しみにしています。

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