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第67回在亜全国日本語教師研修会

 日本では春一番がふき、どんどん春の芽吹きを感じる季節と聞いています。こちらアルゼンチンは夏の終わりですが、またまた蚊が大発生し、外に出るには日焼け止めと虫除け必須というあまり風流ではない生活を続けています。
 そんな中、カーニバルシーズンの長い連休を使って、全国の日本語教師が集まる研修会が3日間にわたって開催されました。
 初めにびっくりしたのが第67回という数字です。なんと第1回は戦前に実施されたとのこと。アルゼンチンは日本だけでなく周辺各国からの再移民(例:日本ーボリビアーアルゼンチン)が多い国です。それだけに日系社会の間では、ルーツである日本の文化・日本語を継承しようという思いがあります。
 現地で生まれた子どもたちにどんな教え方をすればいいのか、アイディアを持ち寄って一緒に考えようという動機で生まれた手弁当の勉強会は、戦争や感染症の流行などの苦しい時も乗り越え、全国から30名以上が参加する大規模な会となりました。参加者は、日系の子どものための学校で教えている人、日本に興味を持つ大人向けの学校で教えている人、オンラインでプライベートで教えている人など様々です。
 隣国ブラジルから国際交流基金の専門家や、現地日本人学校の先生を講師に招くなど大かがりな運営ですが、伝統的に続けている先生方の手作り教材の発表の場面もあるなど、硬軟取り混ぜた構成で飽きることがありません。

自分の仕事観を見える化するワークショップ。数字は優先順位です
会話の授業を考えるディスカッション。色々な先生がいますね

 これだけの活動が、誰に強制されるのでもなく、自主的に行われているということに本当に感銘を受けました。
 アルゼンチンらしく、休憩時間にはお菓子とお茶がふるまわれます。そこでも日本語の教え方について話に花が咲き、教室に戻るのが遅れることもしばしば。


 こんなステキな話し好きの国民に大切にされている日本語と日本文化の担い手として、とても嬉しく感じることが多い3日間でした。

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