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日本語教師養成講座、始まる!

 真夏のブエノスアイレスから日本語教育に関する話を届けます。
私がこちらに来た大きな理由の一つである「日本語教師養成講座」が始まりました。1年半かけて300時間を費やし、理論から実践まで、日本語や日本文化を深ーく学び、学習者に寄り添える先生を育成するというのが講座の趣旨です。今回でもう9回目、非常に歴史のあるコースで、コロナ禍を経て、オンライン、対面、通信をダイナミックに組み合せたデザインになっています。
 今は夏休みの時期なので、その貴重な時間を使って対面での集中講義を行いました。一日中、さまざまな先生がさまざまな授業を行います。先生も受講生もとても熱心、一コマ一コマ真剣勝負で目が離せません。
 タイトルの写真を見ていただくとお分かりのように、受講生のほとんどは非日系と言われる欧州系のアルゼンチン人の若者です。ルーツを聞くと、イタリア、スペインに加え、ドイツ、ハンガリーなど、さまざまな国から当地に渡ってきた人々です。
 そんな人たちが、日本に興味を持ち、日本語を学び、さらにはそれを教える側になりたいと志を持って集まってきました。(中には独学で学び、高校生の時にN2に合格したという強者も)
 そんな彼らが異口同音に話します。
「日本語を学ぶ経験はとてもユニークで面白い。そんなすばらしい経験を自国の仲間と分け合いたい。だから日本語を教えられるようになりたい」
 非母語話者ならではのモチベーションを知り、心が動きました。そんな理由で教え手を目指す人がいるなんて、日本では知り得ないことでした。
 私は日系社会の支援という目的でここに来ていますが、これからの当地の日系社会を支えていくのは、出自にかかわりなく、彼らのような純粋に日本に興味を持ってくれる若者たちなのではないかと思うようになってきました。
 彼らとの出会いを大切にし、もっと日本に興味を持ってもらえるように、一緒にいる貴重な時間を、大切にして過ごしていきたいと思います。

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