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旅行、グルメエッセイを中心に執筆します。 シリコンバレー発スタートアップでバーチャル秘…

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旅行、グルメエッセイを中心に執筆します。 シリコンバレー発スタートアップでバーチャル秘書として勤務。精神年齢推定5歳の天才米人上司に昼夜振り回されながらも、めげずに合間を見つけて執筆してます。東京を拠点に週単位で海外滞在しながら生活中。訪問国30カ国以上。

最近の記事

エッセイ | The Last Nights of the Disco (香港SOHO/バー)

その日は突然やってきた。 SOHOにある、あのバーが閉店するという。 その店は出入りの激しい香港島のレストラン街SOHOで9年間続いた小さなバーだ。それなりの数のウィスキーがそろい、いつも数種類の生ビールが飲める。Speak Easyとパブを合わせたようなその気軽な店は、Elighn Streetを西に下がったところにひっそり佇む。煌びやかでないが小綺麗に整理されているの店内は、どこか少しほっとするような不思議な居心地の良さがあった。 L字型のカウンターと小さなハイテーブル

    • エッセイ | 午前零時の餃子店 (香港九龍/街かど屋台)

      あのおばちゃんはまだ元気にしているのだろうか。 香港の昔ながらのローカル街の小さな餃子店で毎晩のしのしと働くあのおばちゃん。彼女の名前はコニーさんという。 ただただ海外で仕事をして暮らしてみたかった私は、就労ビザが比較的に簡単に取得できるだろうという予想と、唯一の趣味だった旅行関連の仕事という理由だけで客室乗務員になった。 香港に暮らすことが決まったとき、香港人のありのままの生活圏で暮らしたくて、オフィス街でも歓楽街でも郊外の住宅地でもない、下町のような雰囲気の地域に部屋を

      • 2分エッセイ|香港でインドカレーを (香港中環)

         蒸し暑さをこらえて、高い高いビルと古い建物のひしめき立つ煤色の街にまっすぐにのびる長いエスカレーターを上りきると、そのインドカレーは待っている。店に近づくと大きなガラス戸から、いつもはあまり愛想のない太っちょの奥さんがニヤリと笑って迎えてくれる。古いけれども小ぎれいに整理された店内に入ると奥の厨房からやはり少し太っちょのだんなさんが、よく来たねと優しいまなざしで顔を出す。  世界有数の金融街で名を馳せるアジアの国際都市、香港。 そのセントラル駅からすぐ、世界一長いと言われ

      エッセイ | The Last Nights of the Disco (香港SOHO/バー)

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