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『ドント・ルック・アップ』がディザスター・ムービーの可能性を拡げたことについて

2021年に公開となった映画であるが、つい思ったことを書きたくなってしまったので、ここに書き記しておくことにする。

Netflix映画『ドント・ルック・アップ』(2021)は、終始、シニカルなコメディタッチの群像劇で、痛烈な政府批判、いや、現代社会をも否定した内容が繰り広げられる。

本作で明らかになったこと。それは確実に政府による情報操作は行われているということ、人間は実際に惨事が起こった時に初めて理解するということ。いくら専門家が声を上げても聞く耳を持たない連中が大多数ということだ。
本作は、間違いなく、これまでになかった斬新なディザスター・ムービーである。
コロナ禍で全世界が同じ脅威に直面することになり、人間がどのような対応を取るかが明るみになった。
声を大にして"真実"を発する者、その"真実"をひた隠しにしようとする者、あらゆる"真実"に踊らされる者…ディザスター・ムービーというものは、これまで逃げ惑う者を主人公にしてきたジャンル、政府は国民に寄り添う形で描かれてきたジャンルであったが、本作は"真実"を伝えようと戦う人々を主人公にし、政府はいわば"悪役"として存在させている。

まさに、世界規模の"災害"が起きたことにより生まれた新時代のディザスター・ムービーだと言えるだろう。

(文・構成:zash)

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