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心を閉ざしてしまわない、寄り添い方。


皆様、今日も一日、お疲れ様です!

「私、先輩にはなんでも話したくなります。」
以前の職場の後輩に言われました。
その後輩は、私が退職後も仲良くしてくれていて、もう7年ほどの仲になります。
半年前から現在に至るまで、彼女からある事について相談を受けていました。

「今、不倫してるんです。というか、知らずに不倫していたんです。」
彼女が言うには、交際を始めて半年後に彼が既婚者であることを知ったとのこと。
彼の奥様から、彼女の元に「旦那と付き合っているのか」と言う旨のメールが届き、発覚したそうです。
「結婚していないと、騙していたことは本当に悪かった。嫁のことは愛していない。あなたと出会って初めて誰かをこんなに好きになった。どうしても別れてほしくない。」と彼に言われたとのこと。
しかし今は、離婚できない、とも。

「事実を知って、最初はすぐ別れようと思ったんです。でも私も今まで、こんなに男性に好きになってもらった経験がなくて。どうしても、離れられないんです。」
誰にも言えなかったと彼女は言い、ずっと涙を流していました。

彼女と彼のしていることは、世間一般的には認められないことです。
誰からも祝福されることのない恋愛関係。
彼女自身も理解しています。
なのに、別れられない自分が憎い。

「誰にも言えなくなった。」
このことについて、私自身経験がありました。
過去にお付き合いしていた男性から、モラハラを受けていました。
モラルハラスメント。
いわゆる言葉の暴力です。
彼と一緒に住んでいましたが、家事は一切手伝ってもらえませんでした。
彼の機嫌が悪いと、人格を否定するような言葉や、この世に生きていることを否定する言葉を浴びせられる。
彼の怒りに触れないか、怯える日々でした。
最初は友人達にこのことを相談していました。
「最低すぎる。彼は人として問題がある。あなたが心配。私だったらすぐにでも別れるよ。」
私を心配し、励ましてくれていた友人達。
友人達は私のことを思って言ってくれていると、十分理解していました。
しかし、一向に彼と別れられない私をみて、
「なぜ、別れられないのか。」と次第に呆れられていきました。
このままでは、友人にまで見放される。
友人に嫌われたくない。
そう焦りを感じた私は、「最近はどう?」と聞かれても「もう大丈夫になったよ。」といつも平気なフリをして、次第に心を閉ざしていきました。

誰にも相談できなかった過去の自分と、
今の彼女が重なってみえました。

私には話してもいいんだよ。
私を彼女の心の拠り所にしてほしい。
泣いている彼女の背中を摩りながら、
心の底からそう思いました。

心を閉ざしてしまわない、寄り添い方。

上記で述べたように、個人的に彼女達の関係は、モラルに反することだと思っています。
しかし、綺麗事な世の常識だけでは成り立たない、感情の問題もあると理解できます。
彼女に寄り添いつつ、彼女が幸せになるための方法を一緒に探したい。
相談を受ける上で、彼女が心を閉ざしてしまわないよう私が気を付けた点がいくつかあります。

①彼を非難しない。
私自身、既婚者であることを黙っていた彼に一番腹が立っていました。
正直、彼の悪口しか出てこなかったです。
ただ、彼女はそんな彼のことを好きであるということ。好きな彼の悪口を言われるのは、今の彼女には辛いこと、聞きたくないことです。
彼女の心を閉ざす一因となってしまいます。

②一般論を説かない。
私自身は、彼女のように不倫をし、別れられない辛さを経験をしたことはありません。
私は、自身が経験していないこと、勉強をしていないことに対し、上っ面の一般論を述べないようにしています。
それに、不倫が良くないことであるということは彼女が一番よく分かっています。
もちろん、正しくないとはっきり伝えることも時には大切ですが、それが必要でないこともあると思います。

③アンサーではなく、プロセスを。
別れなよ。と答えを言うのは、決して間違っていません。
しかしながら、彼女も別れた方がいいことは分かっています。
彼のどんなところが好きなのか、ただ好きだからという以外に別れられない理由があるか。
自分の性格上の問題や、生活環境の問題で別れられなくなっている原因がないか。
彼と一緒にいることの、メリットとデメリットは?
一つ一つプロセスを紐解いていくことで、今まで気が付かなかった視点で、自分自身を振り返ることができるのではないかと思います。
答えを出すことを焦らず、彼女が彼女自身の考えに納得するまで待つことも、大事です。

④一緒に考え、悩むこと。
彼女の辛さがわからなくても、分かってあげたいと思うことはできる。
私はあなたの味方であると、寄り添うことはできる。
彼女の意見にまずは共感してから、私はこう考えたよと自身の意見を言うこと。
たとえ答えが出なくても、私はあなたと一緒に考えたいと示すことはできる。
彼女の幸せを一番に、一緒に考えること。
そして、あなたに幸せになってほしいと、あなたを大切に思っている人間がいると伝えること。
これが一番大事だと思っています。

彼女のその後。

彼女と一緒に考え続け、約半年後。
「先輩、飲みに行きましょう!」
彼女から、お誘いのLINEが届きました。

居酒屋に入るなり、私は彼女に聞きました。
「大丈夫なの?だいぶ落ち着いた?」

「彼と別れて1ヶ月くらいは、毎日泣いていました。でももう、元気です!」
「今振り返ると、彼と付き合っていても、自分がしていることの彼の家族への罪悪感や、私に嘘をついていた彼への不信感で毎日辛かったです。別れる決断するのはすごく怖かったけど、自分が幸せになるために、一歩踏み出して良かった。」

「先輩。どんな私も受け入れてくれて、私の味方でいてくれて、たくさん考えてくれて、本当にありがとうございます。」
と笑顔でいう彼女。

私は溢れ出しそうな涙を堪えて、
彼女に笑顔を返しました。

私が彼女にしてあげられたこと。
お礼を言ってもらえるほど、
大したことはできていなかったと思います。
彼女が彼と別れられたのは、彼女自身が考え、悩み、納得し、勇気を出して実行したため。
私は彼女の幸せについて、彼女と一緒に、
考えることを諦めなかっただけです。
今回のことは、彼女にとって
自分への自信に繋がったのではないかと思います。
そして、誰にも言えなかった事を打ち明けてくれた、寄り添い方について、私に考えるきっかけをくれた彼女に、とても感謝しています。

私は彼女にこちらこそありがとうと言い、
その日は明け方近くまで、
2人でくだらない話をして、笑い合いました。

最後に。

お読みいただき、
ありがとうございました。🥰

誰かに寄り添うこと、
それは簡単なことではありません。
なぜわかってくれないのかと、
一緒にいるのが辛くなることも多くあります。
時には厳しく言うことも必要です。
ただ、私はあなたが大切だと、
声に出して言うこと。
それだけは、忘れないようにしたいです。

「スキ」「コメント」とても嬉しいです。
ありがとうございます。

明日からもまた、一緒に生きていきましょうね。

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