勝利への道：意図的練習と休養のバランスの重要性

笠原彰　とちぎスポーツ医科学センター協力心理相談員　プロメンタルコーチ　作新学院大学教授

2024年1月23日 13:04

意図的な練習の必要性

ウェイド・ギルバートの著書『コーチング・ベター・エブリ・シーズン』では、アスリートが高いパフォーマンスを発揮するためには、ただ単に練習の量を増やすだけでは不十分であることが指摘されています。ギルバートは、意図的な練習が精神的および肉体的に要求が高いため、アスリートは長時間の練習に耐えられない可能性があると述べています。これにより、コーチは意図的な練習と回復のバランスを取ることの重要性に気づかされます。

プロサッカーチームのケーススタディ

最近の研究では、プロサッカーチームのヘッドコーチが解雇の危機に瀕しているとき、練習中の選手の身体的出力が増加する傾向にあることが明らかにされました。この圧力が高まると、コーチは選手に対してさらに多くの身体的努力を要求するようになり、これがパフォーマンスの低下につながる可能性があります。実際、新しい監督が就任すると、練習の強度が減少し、選手のパフォーマンスが改善する傾向がありました。

効率的な練習の実現

体育教師や教授としての経験から、練習は効率的であるべきだということがわかります。練習が無秩序であることは避けるべきで、選手たちが無駄な待ち時間や指導を受ける時間を最小限に抑えることが重要です。練習の時間と質は必ずしも一致しないため、長時間のトレーニングが常に有益とは限りません。また、アスリートにとって「休養」は否定的な響きを持つことがあるため、「意図的な回復」という言葉を使うことが望ましいかもしれません。

笠原彰心理学的分析

アスリートのトレーニングにおいては、単に量を増やすことよりも質の高い練習が重要であることが明らかになります。意図的な練習とは、適切な目標設定、集中力、そして挑戦的なタスクに取り組むことを意味しますが、これは限られた時間でのみ可能です。心理学的には、このような高い集中力を持続するには、適切な休息や回復が不可欠です。疲労やストレスの蓄積は、選手の精神的、身体的健康に悪影響を及ぼし、結果としてパフォーマンスの低下を招きます。したがって、トレーニング計画においては、練習の質と休息のバランスを考慮することが不可欠です。これにより、アスリートは持続可能な方法でパフォーマンスを最大化することができます。

笠原彰プロフィール：

作新学院大学メンタルトレーニング教授
とちぎスポーツ医科学センター協力心理相談員
プロメンタルコーチ
自己肯定感養成プロコーチ
ライフバランスアーティスト
健康運動指導士
メンタルヘルスファーストエイダー
メンタルヘルス運動指導員

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