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#ADHDあるある:記憶がない。昔のこと全然覚えていない。

ずっと不思議だったことがある。皆が覚えているのに、自分だけ、すっぽり記憶がないことがある。っていうか、そういうことが多い。旅行とか、大事件とか、昔懐かしの思い出話に花が咲くとき、私は「初耳」という顔で聞いてしまう。ほんとに記憶がないのだ。

実は、これ、ADHDあるあるなのかもしれない。ADHDはワーキングメモリー障害という説もあるけど、脳の記憶をつかさどる部分が少し壊れてしまっているのかもしれない。実はこれ、つい最近、栗原類君の発達障害本を読んでいて気づいたのだ。

発達障害と記憶障害

類君は、記憶障害が本格的で、どんなことも一日たったらケロッと忘れてしまう。何度失敗しても、そこから教訓を学び取らない。なんといっても、覚えていないのだから。彼は、この本を書くのでさえ、大変苦労したらしい。

「僕自身は小さい頃から今までの記憶があまりありませんし、この本を書くのも母や主治医の高橋先生、友達などにどんなことがあったかを聞いて、思い出しながら書いています。自分だけではほとんど思い出せません。」

彼の場合、すごいのは、お母さんが彼に情操教育を施す点では一生懸命で、世界中を旅させてあげたこと。各国を連れて行って、様々な経験を積ませた過去がある。しかし、それをすっかり忘れているのだ。

「母としてはできうる限りの努力をしたつもりみたいですし、いろんなものを僕に見せてあげたい、知らせてあげたいと思って、世界中さまざまな場所に連れて行ってくれたみたいですが、世界 20 カ国以上を旅したはずなのに、僕は全然覚えていません」

お母さんとしては、本当にズッコケてしまうような話だ。やはり「普通」ではないだろう。類君の場合は、それを長所にもしていて、ネガティブな経験をしても、全然落ち込まないですむのだ。なんといっても忘れてしまうからなのだ。

この話を見て、類君すごいなと思ったんだけど、人のことは言えないかもしれない。実は、私も、過去の記憶がほとんどないのだ。

映像で浮かばない記憶

妻と結婚してからは十数年になる。子供はいないので、いろいろな場所に遊びに行ったり、それなりに楽しい経験をたくさんしているはずだ。はずだ・・というのは、残念なことに、全然覚えていないのだ。「あの時、大変だったよね、こんなことやあんなことがあって」と妻が話し出すと「すごいね、それ、僕いたっけ?」と聞いてしまう。

子どもの頃の話になると、もっとひどい。ほんと、存在していたのか?というくらい記憶がない。いやな記憶は残っているんだけど。それにしても、実在感のない記憶なのだ。全部テキストデータみたいな感じ。エピソードとしては覚えているけれども、実際に経験した記憶はほとんど残っていない。

先日、実家で久しぶりに、子供の頃にお世話になった近所のおじさんに会った(お世話になったらしい人)。親が挨拶しなさいというので、こっそり「全然知らない人だ」といったのだが・・。実は、小学生の時に、このおじさんの家のペンキ塗りたての壁に壮大ないたずら書きをして、家族みんなで謝りにいって大変な目にあったのだという。(まさにADHDだ)

ところが、その記憶の断片も残っていなかった。しかも、その当時のことは、ほんと、何一つ覚えていない。できるだけさかのぼってみようと頑張ったのだが、ここ数年のことしか浮かばなかった。大丈夫なのか。

これはADHDあるあるなのか

日記はコツコツつけているので、過去のその日の出来事をさかのぼれば、何をしていたかが分かる。そして、そういう時にはさすがに思い出す。しかし、思い出すのは、そういうことがあったんだなということだけ。こんな人、他にいますか?

これがADHDあるあるだとすれば、すごい発見だ。ADHDは記憶障害だぞ!と声を大にして主張してしまう。とはいえ、こんな発見も、やがてすっかり忘れてしまうのだろう。そんな私にできるのは、日々の思い付きや発見を、コツコツ、こうやって書き残すことくらいだ。

ああ、なんかさびしい、ADHDあるあるだ。

NOTEに書き溜めたADHDあるあるをまとめて1冊にしました(本記事も含まれています)

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq