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理想のワークライフバランスを見つけよう!吉越浩一郎に学ぶデッドライン仕事術

私の中で、吉越さんは、すごいデキる人、でも怖い人。もし、こういう社長だったら、萎縮しちゃうだろうなという人。とくに「早朝会議」を読んだ時にそう思った。結論から、数分以内でスパスパ話していかないと怒鳴られるのだ。

私は書くのは早いのんだけど、しゃべるのは遅く(考えたことをまとめて話すのが苦手)怒鳴られまくることうけあいだ。ただ、吉越さんの、時間管理術はけっこう好きだったりする。

吉越式デッドライン仕事術

吉越さんといえば「デッドライン仕事術」だ。デッドライン仕事術は、まとめると、下記の2つを徹底することだ。

①毎日、「お尻の時間」を決めて仕事する(ダラダラ残業禁止)
②すべての仕事に「締め切り日」を入れる」

この吉越流の働き方の原点は、海外での勤務経験にある。吉越さんは、日本の猛烈サラリーマンではなく、自分の時間(私生活)を徹底的に大切にする海外思考の経営者だ。吉越さんの本を読んでいて、なぜ、これほど彼がデッドライン仕事術にこだわるかがわかった。

キーワードは「ワークライフバランス」だ。このマインドを知って、彼の徹底した時間管理術が初めて、腑に落ちた。

吉越流ワークライフバランス

「大切なのはあくまでも私生活を充実させることであって、仕事はそのための手段だと割り切ってきた。より豊かな私生活を送るためにお金を貯めるのが、その目的だ。だから、「ワーク」に使う時間は少なければ少ないほどいい。私にとって仕事というのは、いかに少ない時間で多くのお金を稼ぐかを考える「ゲーム」のようなものである。だからこそ、「効率」を追求することが、一大テーマになるわけだ。」

「ただの手段とは言え、ゲームだと思ってそれを考えるのは楽しい。とはいえ、ゲームである以上は「終わり」がある。「ライフ」に必要なお金が貯まったら、そこでゲームオーバーだ。それ以上ゲームを続ける必要は無い。仕事には楽しみもあるし、一生の生き甲斐を得ることもできるだろうが、一生をそれに捧げるようなものではないと、私は思っている。(P112-113)

「仕事」は吉越さんにとって「目的」ではない。「生きがい」にはなるが、「目的」にはなっていない。いわば「ゲーム」のようなもの。これは、面白い考えだ。私なりにメタファで考えてみた。

人生をマラソンに例えるなら、人生の「目的」=「ゴール」。つまり何のために走るのか、という大前提が「ゴール」であり「目的」だ。
これは人により、異なるかもしれない。家族で海外に移住する、とか、お金をいくら貯めるとか、大企業を作って名を残すとか、本を何百冊書くとか、いろいろね、これが「生きる目的」ってのはあるはず。そこに向かって走るのが吉越さんにとって人生。 仕事は「生きがい」に過ぎない。

過ぎないってのは、それが、「目的」ではないから。走る最中の景色やライバル、凹凸、休憩所、道端の応援、マラソンを楽しむためのポイントはいくつもあるけれど、それは「ゴール」ではなく走って行く際の「刺激」のようなもの。あればあったで、こしたことがなく、無ければ寂しいものかもしれないけど、それは「ゴール」ではない。

たとえば、走っている最中に、ライバルと一緒に抜きつ抜かれつするのが、心地良い刺激だとしても、一緒にそこで座り込んでお茶したりはしない。それは、「ゴール」するという「目的」から外れちゃうから。

吉越さんにとって、明らかに仕事は「ゴール」ではない。「ゴール」まで走っていく最中の走路を楽しくする「ゲーム」。
だから、「ライフ」を楽しむ分だけ、お金がたまったら、「ワーク」はもういらない。ここまで、割り切れるのは、外資系出身という感じがするけど、この感覚は最も日本人のサラリーマンや経営者が学ぶべき点かもしれない。

私も多分に仕事中毒の面があるので、目の覚めるような考え方だった。

「ライフ」>「ワーク」

さて、理想のワークライフバランスを見つけるのに効果的な指標がある。面白い考えだなと思った部分がこれ。

「私生活を「休み」にしか使わない(使えない)ような働き方はしないほうが良い。それが、ワークライフバランスを考えるときの基本だろう。時間的も、あるいは気力や体力の面でも、「ライフ」を遊びに使えるようにならなければバランスがとれているとはいえない。それができない人は、「ワーク」に偏りすぎなのだ。仕事の効率を上げて早く家に帰り、休暇もしっかり取って、「ライフ」の充実を図らなければならない(P119)」

欧米のビジネスマンにとって、「仕事」の対極にあるのは「遊び」だ。ところが、日本人の場合は「仕事」に対して「休み」。「仕事」を少し休んで何をするかというと、きまって「休む」しかすることがない。これが、ワークライフバランスがすでに崩れている証拠だというご指摘だ。鋭い! 

例えば、この調子で仕事に没頭し続けると、いざ定年退職した時に、「さあ、ようやく休もうか」ということになるけど、「休み」は「仕事」があって初めて意味を持つものだから、「休み」だらけになると、もう「休み」は何も喜びを産まなくなる。やがて「休み」が苦痛になる。今まで「遊び」慣れていなければ、当然、何をしてよいかわからない。その結果、「仕事でもしたい」という気持ちになる。

もう、こうなると立派な「仕事依存症」だ。

よくできる人は、よく働き、同時によく遊ぶ。「仕事」の対極が「遊び」なのだ。吉越さんは、香港で勤務していた頃は、年間6週間の休みをとったという。ドイツでも夏に3週間、冬に1周間。学生かってくらい休んでいる。休んで「遊ぶ」。

私は、「動き続けなければ死んでしまうマグロみたいだね」と上司に言われたことがあるほどの、仕事中毒。2日くらい、仕事を休むだけで不安になってしまい、仕事の段取りを始めるのがオチだ。仕事の効率化に異様なまでの関心を持つのも、もっともっと仕事をしたいと思うからだ。

しかし、立ち止まって考えたい。「何のために?」。そんなに急いでどこに行くの?ということだ。

何のために仕事の効率化を目指すかっていうと、もっともっと仕事を行うためではなく、早く仕事を片付けて「ライフ」を大切にするため。「目的」と「生きがい」をごちゃまぜにしている自分に気がついた。

まとめ

私にとって、吉越さんは、怖い社長なんだけど(怖がりすぎ・・)、何冊かまとめて著書を読んで、吉越さんが、なぜ、そんなに効率化を目指すのかってことを理解できた。私はてっきり、増収増益!売上!みたいな外資系社長さんだと思っていたんだけど、その背後にはワークライフバランスに関する、徹底した考え方があったのだ。

これこそ、仕事を効率的にこなしたいと思う、真のモチベーションになるはず。テクニックじゃない。仕事術や時間管理術の根本は哲学だと感じいる次第だった。

漫画版もあるよ。

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq