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糖尿病→ダイアベティス?の報道で:いまやっと病名が検討される:

昨日9月22日の報道だ。
糖尿病という病名の偏見や誤解をなくすために、日本糖尿病学会と日本糖尿病協会が糖尿病の新たな病名を検討していると公表した。

糖尿病→ダイアベティス(Diabetes)というように、国際的に使用されている英語名をカタカナで表記してはどうかとの提案だ。

日本にありがちな横文字になることで少しやわらかくも感じるが、今後、患者さんを始め医療従事者からも意見を募って決めていくという。
 
過去に、病名変更に関する期待を込めた記事を投稿したので、よろしかったらご覧ください。
 


報道によると、協会が昨年アンケートを取ったところ約9割の患者さんが尿に糖が出ているという印象から、この病名に不快で抵抗を示す声が多かったという。
このままでは、前向きな積極的治療もしにくいことだろう。
 
そもそも糖尿病は、インスリン不足や作用の低下で高血糖の状態が続いてしまう病気。
日本では一千万人を超える国民病でもあると言われている。
放っておくと神経障害や網膜症、腎障害などの合併症が生活の質を損なう。
 
その治療には、食事や運動、薬物療法を始め、多くの人々と日常的にかかわり合いながら進められることが必要だ。

患者さんの積極的な立ち位置も重要であるから、おしっこに甘い糖が出ている、食べ過ぎで太り過ぎなど、あたかもその人の生活がだらしないかのような悪いイメージを与えるのは治療上マイナスだ。
結果、病名に抵抗や不快感を感じて、人に言えない、病気であることを隠す等前向きな治療が自主的に進められないケースが結構あるのだ。
 
 
糖尿病と病名が定められて100年は超えていると学んだが、私が管理栄養士として患者さんの食生活改善に携わった当初も、まだ、尿の測定が主流だったから糖尿病という病名に抵抗感はなかった。
それでも、相談室に来る患者さんは、いつも心を閉ざしたように入ってきたことを思いだす。

しかし、現在は尿に糖が検出されないケースもあるし、過食や運動不足などの必ずしも生活習慣が悪くて発症するばかりでもないので、確かに現糖尿病の病名は不快感が強いと私も思う。
 
 
名称が新たに変わっても、浸透するには年数がかかるであろう。

変更への動きには賛同するが、社会全体が糖尿病治療に理解と協力をし、偏見や負の烙印が無い状態で正しい積極的な治療が浸透することを、「食と健康」に携わる私としては強く願っている。

本日もありがとうございました。
 
 


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