冬の冷たい雨

冷めきった街の影で
今日も私の血が赤い
切れた指先から垂れ流している
巻いた白い布さえも
深紅に染まりゆく薔薇の花
頬を流れた水滴は
凍りついた世界を歪み映して
絨毯に落ち吸い取られた

いま透明な君に触れたなら
命の色で染まってくれるの
私のを分けてあげるから
ほらまた私に笑いかけてよ
雨が降る 窓ガラスは薄氷のよう
開けて飛び立てるほどの力もない
ただ暖かな影から空を見つめるだけ

心は氷漬けだけど
今日も私の血が赤い
今日も私の血が温かい

君にもかつて流れていた
血の温かさを私が感じていた
もう感じられない温かさ
もう触れられない唇の感触
もう聞こえない美しい声

燃えた君が青空を消して
私の変わりに泣いている
私は赤い血を垂らしながら
何も無い場所に君を求めた

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