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小さな不安と大きな出来事

自分が一人で考えてる中で生じた問題は、遠い宇宙から見たら、たぶん、ちっぽけなものだ。 問題と、自分の距離が近すぎるから、大きく感じて、呑み込まれそうにもなるんだと思う。 この前まで、自分についての問題で精一杯だった。 将来のこと、今のこと、過去のこと…。 色々なことを深く考え込んで、考えすぎて、動く気力さえもそこに奪われつつあった。 しかし、自分の外で起きる問題や、世界の出来事などは、自分の内で起きてる問題よりも大きいことが多い。 それが起きた途端に、自分が悩んでいた

    • 冬の冷たい雨

      冷めきった街の影で 今日も私の血が赤い 切れた指先から垂れ流している 巻いた白い布さえも 深紅に染まりゆく薔薇の花 頬を流れた水滴は 凍りついた世界を歪み映して 絨毯に落ち吸い取られた いま透明な君に触れたなら 命の色で染まってくれるの 私のを分けてあげるから ほらまた私に笑いかけてよ 雨が降る 窓ガラスは薄氷のよう 開けて飛び立てるほどの力もない ただ暖かな影から空を見つめるだけ 心は氷漬けだけど 今日も私の血が赤い 今日も私の血が温かい 君にもかつて流れていた 血の

      • あなたじゃない

        一生大事には出来ない思い出 心から吐き出して何も無い部屋 与え続けても甘えが出て 与えなければ燃え上がらない 背中合わせでも抱き合わせではない もうあなたじゃない 抱き寄せられても背中だけ見せて もうあなたじゃない 心に巻いていた赤い糸よ 切り刻まれ血となれ肉となれ あなたを見ても脳内は 砂浜ですれ違ったあの子 追いかけたくなったんだ 新しいときめきを 力任せに感情を散らかした もうあなたじゃない 温め直したらきっとこの心は死ぬから もうあなたじゃない 底なしの闇に落

        • 新年

          あけましておめでとうございます。 昨年は誰にとっても大変な年だったと思います。でも、何がつらいか、何が苦しいかは、人それぞれに少しずつ違いがあるでしょう。 夏らしさ、秋らしさ、も特に感じず、寒さだけを感じて、 いつの間にか年も明けたような感覚がしています。季節を感じず、人との繋がりもいつもより感じられないような、遠くにあるような、そんな冷たくて色のないような日々を過ごしたように感じました。 今年はどんな年になるのか。不安な点を考えていたら、いくらでも出てきてしまいます。

        小さな不安と大きな出来事

          憧焦彼(あこがれ)

          突然に現れた君は金木彗星 静寂の表情に隠された赤い命が 凍え切った私の心に火を灯した 雪解けて 桜咲いた 長い冬が終わった 優しい風と君の温もりが重なる 色も変化もない灰色の地面しか知らなかった私を 色んな景色や場所へいざなってくれた 真夏の夜の夢も秋色の香りも 想い出に絡みついて煌めきを放っている 空気が澄んだ場所で見た夕焼けのような 燃えるような眩い輝きを放つ君は美しい 溜息がでるような懐かしさ感じて 気がつけば涙流れて 景色はスパンコール あの時触れた温もりを忘れ

          憧焦彼(あこがれ)

          なんとかアンクル

          人生最初のアルバイト経験が、楽しいものだったなら、私の人生は今より変化があったのだろうか。 学生の時に人生初アルバイトをした。 周りは多くの人がアルバイトをしてるのに、自分だけはなぜか運悪く学生不可だったり、時間帯が合わなかったりで、採用されず、焦りを感じていた。 そんな中で求人チラシが家に届いて、もうこれしかないなと思って応募した。 民家のような、小さな食品工場で半年アルバイトをした。 しかしそれはとても苦痛で、悲しみが溢れ続けるような日々の始まりだった。 私の心は

          なんとかアンクル

          社会人素人

          寒暖がぶつかり合う狭間 その不安定さに心が落ちそう 懐かしく切ない感覚は 命開く花の香りから 光透き通るような新生活 心は光の届かない場所へ沈む 見えなくてもう救えないよ 救えない金魚の明日の行方は知らない 誰も知ろうとしない 社会人素人の僕を空気にして 見えなくても聞こえてくるの 耳鳴りの音源は聞き飽きている 鳴り続けてるよサイレンは 社会人素人の僕は 何も食う気になれないまま 空気を飲んで心を破裂させる

          社会人素人

          自由が縛られ続ける生活

          半年ほど前、話をした人がこういうことを言っていた。 一年後、あるいはそのまた一年後には生活状況も元通りになってる、とかなんとか。 未来のことなんて誰にも分からない。 合ってるかもしれないし、でも、その時にならなきゃ分からない。 それにその時になったら、きっとそんな言ってたことなんて忘れている。 今年の初めから日常が変わって、 自分も、なにかに苛立ちながら上半期を過して、 不安がちらついてるような下半期を過ごしている。 絵を描くことが好きだったけど、エネルギーは余りすぎ

          自由が縛られ続ける生活

          不安定なまま、生きていくのか、このまま変わらないのか

          私は人脈も浅く狭く、キャリアも落ち着きが無い。 というか、その他のことも安定的なものなんて、長く続いてるものなんてほとんど無い。 仮に、長年続けてる趣味を問われたとしても、自信を持っては答えられない。絵を描くことも、お笑いを見ることも、ゲームするのも昔から好きだけれど、どれも途切れ途切れにハマるハマらないを繰り返してきているからだ。 歴史も、人も、何事も、変わらないものなどないのは分かってる。人も物も変化しながら生きていっている。 でも、自分はあまりにも変わりすぎなのでは

          不安定なまま、生きていくのか、このまま変わらないのか

          喪失の扉

          まだ思い出せない記憶が 喪失の扉を叩いてる 鍵は錆び付いて開けられない 砕け散らしてしまおうか 溶かす術もない凍てついた心を ただ優しく撫でることしか出来なくて 表情ひとつ変えず迫り来る祝福が ネガの色に見えて無理やり遠ざけたんだ 二人は交差してる 雨上がりの道路で すれ違ったまま 目も合わせずまた今日を駆けていく まだ思い出せない記憶が 喪失の扉を叩いてる 鍵は錆び付いて開けられない 砕け散らしてしまおうか その向こう側がざわついてるのはなぜかしら ああ不思議ね 恐怖

          喪失の扉

          見た夢冷めない夢

          人通りの多い町 交差点の左を曲がり 坂道を上がっていくと 飲み屋と小さなライブハウスがある ライブハウスで観劇を終えて 荷物をまとめて座席を立つと 先程の劇の演者が舞台の片付けをし始めた 私はその演者目当てに観劇していたから その人が終演後に目の前にいるという 想定外のことが起こったことで 体が固まり出口へと向かえなくなった その人の姿を見続けてしまっていたら ついに気づかれて目が合った あっ、という顔をしている相手は 目を逸らさずゆっくりと近づいてきて 絞り出すように

          見た夢冷めない夢

          あなたが眠れなかった夜に

          いま目の前で、あなたは永い眠りについている。 僕の到着は、あなたの寿命に間に合わなかった。 寿命なんかじゃなかった。 あなたは自ら寿命へと走っていってしまったんだね。 僕の存在が唯一の生きがいだったと教えてくれたのは、ほんの数年前だった。 何一つ明るくないというあなたの世界で、僕だけがあたたかく光っている、といっていた。 でも、そんな光もあなたに届かなくなっていたなんて。 静かに泣いているあなたの親族たちは、悲しく微笑みながら僕をあなたに会わせてくれた。 僕はあなた

          あなたが眠れなかった夜に

          絶対に生きろ、なんて言えないけど生きていて欲しい

          追い詰められて、逃げ道が見えなくなった時や、逃げることを自分または他が良しとせずに潰れるまで耐え続けた時などに、唯一「死」という逃げ道だけが見えるときがある。 SNSは広いようで、でも、狭い。どんな良い事も悪い事も届いてきてしまうから。助けを求めるために手を伸ばすには少し脆いような気がしてしまう。 じゃあ、それ以外で手を伸ばして届くものは何だろうか。 相談窓口があるのでそこへ電話を、というのもまえからよく聞く。自分もしんどい時、何度もかけたことがある。しかし繋がるのはほ

          絶対に生きろ、なんて言えないけど生きていて欲しい

          ほんの小さなことで不機嫌になる自分

          化粧品が入ったポーチが、何かの拍子に洗濯機へ入ってしまい、それに気づかずに洗濯機を回してしまった結果、 中に入っていた化粧品は水浸しになった。 未使用のアイシャドウもあった。気に入って使ってたものをそのポーチに入れていたので、買ってからそんなに経ってなかったものがすべて犠牲になってしまった。 自分のミスかも分からないけど、自分が仮に何の間違いで入れてしまったとしたら、入った時点で中の化粧品のぶつかる音がするはずだし、気づかないことはない。 自分は同居人が入れたと勝手に思っ

          ほんの小さなことで不機嫌になる自分

          嫌い

          すり抜けてきた時間は同じでも 君は君のままでいるんだね もう触れないでと言ったことも 理解不能というのであろうか でも僕の心は焼け野原 君に費やす燃料は無い 思い出しただけで地に落ちる 心に巣食うこの闇を どうしてくれるんだよ 君が愛するのは 君を愛してる僕という残像 残像だけ見て楽しいか 勝手に楽しんでな、死んでな 本体は跡形もないから 君が楽しんでた思い出で 僕が死んでたことは無視かい 君さえ生きてればいいのかい 僕なんて結局どうでもいいって 言っちゃいなよ逝っ

          嫌い

          便利な世の中を信じすぎないこと

          一瞬目にした情報を全てと思い込んでいいのか。 見た目とか第一印象だけで人やものを決めつけられないはずなのに。 良いことで溢れてるから、少しでも悪いことがあれば目立ってしまう。 幸せなはずなのに不幸が強く見えてしまう。 ネットって便利。欲しいものもすぐ手に入るような時代になってる。欲しい情報、欲しくない情報もスルリと手に入る。 でも欲しくない情報は受けないというのも必要だと思うし、ネットにある情報など無数にあるのだから、どれが本当かなんて、ネットという場だけで決めちゃあ

          便利な世の中を信じすぎないこと