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食べることが嫌いになった日

※拒食のお話ではないのでお気軽にどうぞ。

当時は気づかなかったのだが、この食べることが嫌いになったというのは、“家族と”または“家族の作ったもの”がある前提でのことである。
今は家族以外との食事は楽しめるようになり、そのきっかけになった人もいるのだがそれはまたの機会に。

物心ついた時には私は既にあまり食に興味がない子供だった。
苦手なものはたくさんあるものの、特に好きなものはなかった。

小学校4年生くらいの頃だったと思う。

「冷凍してあったから大丈夫!」
母はそう言って2週間前に作った餃子をフライパンに並べた。

信じられなかった。

今まで私はこんな人の料理を食べてきたの?とおかしくなりそうだった。

家族はそれを当たり前のように食べた。

怖かった。

一度このような現場に居合わせてしまうと全てに疑心暗鬼になる。
特に好きでもなかった食事の時間が苦手なものへと変わるのは一瞬だった。

そして、それらは毎日のように食卓に並んでいたことを知る。

一昨日のハンバーグ入りトマトスープ。
冷凍庫に入っていた消費期限切れのお刺身やお肉。
消費期限2日切れの惣菜パン。

書き出したらキリがない。

母親に嫌悪感を抱いたのはこの時からだと思う。
もちろんそれを当たり前のように食べ、私が食べられないことを怒る両親にも。


今日も、私が一昨日の夕飯の残りを食べないで白米のみで食事を済ます様子を見て、あからさまに態度に出された。

やはり私は価値観を押し付けてくる両親を一生好きになれないと思う。


冷蔵庫に賞味期限5年前のチョコレートを見つけた。

捨てた。

怒られた。

私は両親を理解しようとする努力をやめた。


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