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経路

強固な思い出を打ち砕くための金槌を持って、帯電し続ける身体を用いて、復元されるだけの苦しみを、解き明かして、陰鬱な焦土がもたらす空虚さの端くれを掴んで、澱んだ思念や、数多のジレンマや、時代的な憂鬱さをかき集めるほどに、生まれる空白や、迫害され続けた人々、磔にされた神を作り上げた傲慢な連中の、悲惨な資産として、育んだ幼稚なギミックの一部として、あらがうほどに食い込む爪や、つたない一生を加速していく不可思議な容量や、値や悲劇、この、全体に敷衍していく物質や、陽動され続ける先では、寂れた信念や、窮屈な理想、逡巡し続ける先々では、錯雑とした観念が、懸念している物事や、脳漿が沸騰して、ふやけた脳内からこぼれる宇宙の始まり、あらゆる分岐点が、自らから生まれては、派生する意識や、経過していく現時点や、迎合される罪や、服従するだけの君や、口約束を突き破り、憤懣を加速させるだけの、惰性な日々や、達成感もなく、この場を彷徨う幽霊のような泡沫や、散漫な喜劇を泳ぐ、分裂していく意識的な魚たちや、対話を諦めた権力が巻き起こす戦争や、諦めないで、突き進む先々では、大衆的なものを吸い取り、絶え間ない痛みを波及させるだけの、退屈な理想なんかに騙されずに、ただ、延々と引き伸ばされるだけの、超巨大な空間の中で、感じられるものなどは、しれているなど、と、冷めた連中が打ち出す普通こそに、騙されないようにする。

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