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会いたくて震えるほどではないけど、会ったら震えてしまう人


会いたいけど会ったことなくて。
会えば何話したらいいのかわからないけど、
会ったら「懐かしい」と感じる人がいる。


そんな人が
気づいたらLINEのお友達に登録されていた。



こんな便利な世の中になっちゃったから、
すぐに連絡が取れてしまう。



そう。
その人は、
小学4年から中学の途中まで文通をしていた、
当時千葉県船橋市在住のRちゃん。



ここでどなたか教えて欲しいのだが、
なぜ、彼女がわたしのLINEに登録されているのだろうか?

仕組みを教えて欲しい。




小学4年の頃、
わたしは文通がしたくてたまらなかった。

当時、親が朝日新聞をとっており、
日曜日には別紙でこども新聞も届いていた。

その新聞のとあるコーナーには「文通したい子募集」の欄があり、
わたしは気になる子や共通点がある子を見つけては、
「文通してください」とお手紙を書いて送っていた。


その頃は、個人情報保護みたい厳しい縛りはなかったのか記憶にない。
新聞の欄に住所を載せていた?
もしくは新聞社経由で届くのか?


始まるきっかけは忘れたが、
文通が楽しくて仕方がなかった。

お気に入りのレターセットをお小遣いで買っては、
手紙のやり取りが趣味みたいになっていく。


その結果、
「もっともっと誰かと文通したい欲」が溢れてしまい、
ついに自ら「文通したい子募集欄」に自分の名前を投稿することに。



すると、青森・福井・千葉・兵庫・沖縄など、当時行ったこともない県の子からお手紙が一気に届いた。
(当時わたしは香川県に住んでいた)


他県との学校の違いや恋のお悩み、
友人関係や自分の県の自慢など、
どの手紙の内容も新鮮だったのを覚えている。


中でも、
やりとりが楽しくて長く続いたのがRちゃん。

小学校卒業時にはプロフィール帳の紙を交換して書き、
返送し合った。
(プロフィール帳とは、生年月日・血液型・好きな教科・有名人など書かれた質問に答えるもの。)


中学に入り、
手紙とともにプリクラを交換するようになったがお互い部活が忙しくなり、
そのまま今に至ると記憶している。



だから、
なんとなく顔を知っている。
もちろんフルネームはバッチリ覚えている。
千葉県船橋市を何かの拍子で見るたびに、
彼女を思い出す。


しかし、
やり取りしていた手紙はどこにあるのか分からない。
プリクラもない。
もちろん船橋市以降の住所も知らない。



冒頭の話に戻るが、
そんな彼女が、今、LINEのお友達の中にいる。


名前は、下の名前でローマ字。
アイコンは、
オープンカーの運転席に乗っていて、
助手席には大きなETがいる。

とても素敵な笑顔。


間違いなく彼女だ。


もはや、
なぜ、どのような経緯でお友達に登録されているのかはどうでもよくなってきた。


あんなに彼女からのお手紙を待ち侘びていた平成初期。


令和の利便性に便乗して思いきって連絡しても、
彼女がわたしのことを覚えているか定かではない。


何喋っていいかわからない。
けど、会ってみたい。


たまに彼女のアイコンを見て、
そんな思いを募らせること約3年。


会いたくて震えはしないけど、
会うと震える自信がある。


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