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寄り添いたいと願ってくれる人

「欲しい言葉をくれそう」

そんな人がモテるんじゃないかという言葉をこの前どこかで見かけた。呪術廻戦の夏油がどうしてモテるのかといういったテーマだったんじゃないかと思う。実は呪術廻戦では夏油が最もモテるという設定になっているらしい。といっても、アニメ派の私には寝耳に水だ。だって作中(懐玉・玉折編)では五条先生の方が顔がいいとか言われて、女子高生に騒がれていたじゃないかと思った。


まあ、そんなことは置いておいて。




「欲しい言葉をくれるから」という理由でモテている人というのは実際に存在していると思う。けどこれは私にとって、どうなんだろうかと考えさせられてしまう問題でもある。というのも欲しい言葉というのは大抵が話を聞いてくれる+共感してくれる+弱い自分を受け入れてくれるという流れだからで、最後に温かい一言でもあれば十分に理解者だと思われる可能性が高い。

この最後の一言というのが一番難しく、きっとこれが欲しい言葉というものに関係しているのだと思う。ある程度きちんと相手の話を聞かないとわからないし、要点や本質をとらえていないとできない行動だ。そしてこれができる人というのが「欲しい言葉をくれるから」とモテる人なんだと思う。簡単に言うのならそれは琴線に触れるという感覚に近いのだろう。


これを自然体にできてモテる人はしばしば天然たらしなどと呼ばれているらしく、漫画を読んでいても見かける。そんな人達が悪意に変わってしまうとどうなるか。それは夏油が闇に堕ちて呪詛師となった後の姿だろう。人の心がわかるゆえにその気持ちを手玉に取って騙すことができるようにもなってしまう。

同じような心理を悪用したものはいろんな所でも見かける。それはしばしば犯罪という形となってニュースを賑わせる。





人が本当の意味で誰かに寄り添いたいと感じる時に「欲しい言葉をあげたい」という気持ちで動いているのだろうかとふと思う。目の前の人をどうにか慰めたいとか励ましたいとか、泣き止んで欲しいとか。そういう時に冷静にその人のことを考えながら動けるだろうか。

私にはそれはできない。その人が大事であればあるほど、ひたすらに目の前の人について必死になってしまう。「大丈夫だよ。私がいるよ」くらいしか言うことができなかったケースもある。


一方それができた相手もいる。それは昔仲良くしていた部活の後輩の時だった。私は部長だったのでいろいろなことを知らなくてはならず、情報を整理しつつ聞く必要があった。そうすると周りの可能性など客観的に考えることができたのか、後輩にはとても喜んでもらえた。それは「ずっとこういうことで悩んでいたんだね。辛かったね」といった言葉だったと思う。

もしかしたら冷静に返したこの言葉こそが先程から何度も言及している欲しい言葉に近いものではなかったか。全ての人にはあてはまらないと思うが、私にとっては冷静になれないことが相手を大切な証なのかもしれない。それは相手を失うのではないかと恐れる気持ちに近く、思考を鈍らせてしまう。




欲しい言葉なんて簡単に見つからない。違うのはその先で相手をどうしたいかということなのかもしれない。泣き止んでもらってきちんと経緯を聞きたいとか、慰めて信頼させて悪いことをしたいとか。様々なケースはあれども、ただ悲しんでいて欲しくないとシンプルな理由でそばにいてくれる人が本当に寄り添ってくれる人のような気がしている。

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