年明け早々見て聞いて、思ったこと
元旦の翌日、初夢を見たのか見ていないのか、夢の記憶がないままの状態で目が覚めた。
仕事始めの平日だからか、道路を行き交う車の数が心なしか増えている。いつもの喧騒。普段と変わらない日常がそこにある。
家事を済ませて犬の散歩をしてから買い物へと出かけ、家に戻るともう昼過ぎだった。夫は来週までリモートワークで家にいる。
買ってきた品物を棚や冷蔵庫へ片づけているところへ空のカップを持った夫がやって来て、「今度は飛行機がクラッシュしたらしいぞ」と言った。
飛行機?クラッシュ?どこで?え?日本で?え?何で?!
自分でもおかしな発言をしている自覚はあった。「何で?」と聞かれた夫は「ニュースでやってた」と答えた。
震災から立て続けの悲しいニュースに心が痛む。グッと息をのんで動作を止めた。
どうしよう。
ってどうしようも出来ないことは分かっている。でも「どうしよう」としか浮かんでこない。
手に持ったままのヨーグルトをとりあえず冷蔵庫へ入れて、ネットで検索してみた。詳しい内容はまだよく分からない。
その夜ニュースで見た映像は映画やドラマのワンシーンのようだった。飛行機が爆発して燃えている。
この状態でどうやって乗客乗員すべてが脱出できたと言うのだろうか。
着陸態勢で皆がシートベルトをつけて振動に耐えられる姿勢を取っていたから怪我人が少なかったのだろう。その後もパニックになって暴れたり、安全確認や指示を待たずに勝手な行動を取る人がいなかったから訓練通りの手順で脱出できたのかもしれない。
それにしてもあの状態でよく業務を遂行出来たものだ。極度のパニックに陥って暴れる客がいなかったにしても、「早くしろ!」とか、「急げ!」とか、文句を言ったり急かしたり、心無い言葉を投げつける客だっていただろうに。
自分たちだって怖くてすぐさまにでも逃げ出したかっただろうに。
貨物預かりだったペットが亡くなったことは後日ネットニュースで知った。
この世界ではいつまでペットを荷物扱いするのだろうか。心臓が鼓動を打ち、食べて飲んで排泄する命あるものが荷物であるはずがない。
冷えたタバコのきっついニオイをプンプンさせたヘビースモーカーのおっさんが隣に座ったせいで体調が悪くなっても誰も咎めないが、犬や猫が隣にいるとアレルギーが悪化すると言って非難する人がいる。
フランスでは通常の小型動物ならケージやバッグに入れて同乗出来る。アレルギーのあるお客様の反対意見は今まで聞いたことがない。
私もアレルギーを持っているのでその辛さが分からないことはない。でも席を離してもらったり工夫をして同乗出来るようにならないものか。
大型動物に関しては客室で場所の確保が出来ない事情は分かるが、せめてケージから出して安全な方へと連れ出す工夫が出来ないものだろうか。ペットは荷物じゃなくて、自分たちの足で立ってちゃんと歩けるのだ。
人間を優先的に救助した後、最後の最後でもいいから命ある動物たちを助け出せるようになったらいいのに。
檻の中に閉じ込められたまま炎に巻き込まれたペットたちのことを想うと涙が止まらない。
2024年、うつむき加減で一年が始まった。
フランス北部では大量の雨が降り浸水被害が広がっている。今日は南仏も雨で灰色の分厚い雲が大きな顔をして空一面にのさばっている。
こんな天気、憂鬱以外の何ものでもない。
憂鬱と言えばアラン・ドロン。
自分の息子を訴えたらしい。まだ本人が生きているのに相続を巡って揉めているのだ。親族間の欲にまみれた泥沼の争い。これは格好のゴシップネタだ。私もちょっとは興味がある。
天下のアラン・ドロンが築き上げた資産ってったら相当な額になるだろう。
昨年は長年同居して世話をしていた日本人女性に何だかんだと難癖をつけて追い出している。これもより多くの遺産を相続するための準備だったのか?
強欲なのか?それとも他に理由があるのだろうか?
私の中のミーハー心が揺さぶられる。
あの見惚れるばかりのイケメンも御年88なのだそうだ。
今年はまだ始まったばかり。これからまた突拍子もないことが起こるのかもしれないし平穏のまま過ぎて行くのかもしれない。
先の見えない未来にちょっとした不安が脳裏を過るが、私たちはその中を生き抜くしかない。他に行く場所なんてないのだから。
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