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☆本#324-325 最後に明かされる「メッセージ そして、愛が残る」「作家の秘められた人生」ギョーム・ミュッソ著を読んで

どちらも最後まで読んで意味が繋がる長編小説。
前者は、エリート弁護士がある医者と知り合うことで、自分が死ぬのだと勘違いし、残りの日々を大事なことに優先させようと、元妻や子供と接したり、恨みをもっていた義父との交流を試みたり、そして、意外な真実を知っていく。ヒューマンドラマ的。
後者は、数冊本を出し、人気作家だった男が物書きをやめて島暮らしを始める。彼の本に心惹かれて、彼に対し憧れを抱いた24歳の男性が作家を目指し、作品を出版社に送るも、すべて没にされ、彼のコメントをもらえないか、彼の住む島に移住する。その後、島で殺人が起き、作家の秘めていた過去が最後の最後にやっとわかる。

前者はファンタジー的な要素もあり、徐々に結末が見えつつ、それでも、思いがけない着地点と、冒頭の意味が最後になってわかるようになっている。
後者はミステリーを主軸に、ラストが読めない展開で、思いがけない終わり方をするけど読後感が悪くない。興味深かったのが、各章の始まりに、いろんな作家の言葉が数行書かれていて、それはその省がどういうものかを端的に指してる感じなんだけど、その中にジョン・アーヴィングのものもあり、結構的確。

「よい小説とは何か?」
「読者の愛情と共感を呼び起こすような登場人物を考え出す。それから彼らを殺す。それにより読者を傷つけるのだ。こうすれば、読者はあなたの小説をいつまでも記憶に留めるだろう」

byジョン・アーヴィング

そして、その章で意外な人物があっさり死ぬ…。

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