5月の花

経済的自立よりももっと大切なこと


この記事は、主に、国際結婚をして、母国(日本)以外の相手の国に住むケースを想定して書いています。

日本在住で国際結婚している方は、基本的に自分のテリトリーで暮らしているということで、アフェーで暮らしている海外在住の国際結婚組とは違う種類のご苦労があると思われます。

日本在住の場合は、近くに家族や昔からの気がおけない友人がいることや、母国語で仕事をしていて、自分の学歴や実力にあった職業に就いてる方も多い反面、いろいろな公的及び私的な書類上のことなど、日本語が母国語でない外国人夫のフォローなど、たいへんなこともあるとお察しいたします。

前回の記事では、国際結婚後、相手の国に安心して住むためには、そこそこの経済的自立があったほうがいいよということを、ざっくり女性の年齢別に書いてみたのですが、それは必ずしも必要十分条件ではありません。

もちろん、長い人生の間には、夫が病気になったり失業したりという不測の事態に見舞われることも絶対にないとは言い切れないので、前記事にあげたように、現地で就職したり起業したりする勇気とモチベーションはあったほうがいいし、女性の方にまとまった貯金や実家からの援助や遺産など、安心材料はあるに越したことはありません。


でも、それよりも何よりも、大切なことは、今ある幸せにきちんと向かい合えているかということです。

実は、この部分ができていないと、異国の地で迷える子羊のように、周りを見回して自分と比べて不安になったり落ち込んだり、もっと頑張らねばと思ったり、挙げ句の果てにはこんなはずじゃなかったと後悔することにもなりかねません。

たとえ、現地語もそこそこできるようになり、現地で就職活動をして正社員の職を得ることができて安定した収入があったとしても、今あるこの状態に何かが足りないと思っている限り、外側に幸せや安定を求めてしまいます。

外側の環境に影響されずに、常に安定した気持ちでいるには、人と同じでなくていいと思えることが非常に重大ポイントです。


子供のバイリンガル教育や日本文化の継承の関しても、完璧にやりたい、親のできることは全部やってあげたいと、一生懸命になって、どっぷりとその方向へ向かっている方もいらっしゃいますし、まあ、どっちでもいいかな、費用もかかるし送り迎えも面倒だし、日本人ママ友同士の付き合いもなんだかなーと思って、そういう場(日本文化交流の場、花見とか日本人対象のの料理教室?みたいな日本人と出会えそうな場所)に全く現れない人もいます。

日本文化継承・バイリンガル教育どっぷり派は、やはり教育費にお金がかかります。
これを普通に、日本人エリート駐在員並みにできている家庭は、はっきり言ってフランスではかなりリッチです。

日本人の奥様が専業主婦で、これを普通にされているのは、ご主人は大抵、政府関係、投資銀行勤務など、旦那様のお給料の額がフランス人の平均的な収入の数倍と考えてよいでしょう。

このパターンは、前回の記事で、少し触れた、日本で見初められて、『ぜひに僕の国にお嫁に来てください、一生、幸せにします。』とプロポーズされて、日本での豊かな生活とキャリアを捨てて、彼の国にお嫁に来ましたという場合であることがほとんでもあります。

日本駐在経験もある旦那様は、子供の日本語教育にも、当然、理解があり、先進国で豊かで安全な日本での彼女の暮らしぶりを知っているので、自分の国での生活に不自由がないように、住む場所の安全性や快適性を、日本人目線で探してくれ、家事の負担を減らすための家政婦さんを雇ってくれたり、慣れない異国での生活に早く馴染めるようにと、語学学校の費用や日本人のお友達との社交ランチやお料理教室の費用まで出してくれて、至れり尽くせりの暮らしをさせてくれる可能性が高いです。

高級マンションやインターナショナルスクールの費用まで会社持ちだった駐在員時代より、生活レベルは落ちたよという方もいらっしゃいますが、自国に帰ることでまた違ったベネフィット(親の別荘が気軽に利用できたり、グランゼコール時代の友人とのネットワークを通してのインヴィテーションなど)があるので、帰国後も生活レベルを落とさず暮らしている方がほとんどだと思われます。

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たぶん、国際結婚に憧れて、ヨーロッパやアメリカに住んでみたいと思っていらっしゃる若い女性の国際結婚♡のイメージはこんな感じではないでしょうか。

残念ながら、これは非常にレアケースですよ〜〜。

砂漠で針を見つける?みたいなレベルです。

パリ市内の高級住宅地のオスマン建築のアパートに住んで、夏のバカンスは、南仏やコルシカ島に別荘で過ごしています。❤️


みたいな絵に描いたような、雑誌に出てくるような暮らしをしている人は、ほんの一握りで、しかも、ここで言ってしまっていいのかどうかわかりませんが、ご主人がかなり年上だったり、同い年くらいでも、すでに2、3回結婚経験があり、前の奥さんたちの間に、お子さんも何人かいらしゃっる場合が多いので、結婚後、いきなり3人の子持ちになってしまったり、夫婦でゆっくり過ごせると思っていた別荘でのバカンスも、義理の子供達がその友達をいっぱい連れてきたりと、かなりの懐の深さがないとしんどかったりということもあるのです。

再婚・子供有りの男性と結婚された方を何人か存じ上げていますが、皆さん、程よく社交的でおもてなし料理が得意で、義理の家族やご主人の友人関係を招いてのホームパーティーなどの切り盛りも上手にされておられます。


再婚・子供有りの外国人男性との恋愛・結婚に興味のある方もいらっしゃるかもしれませんので、これもいつかポイントを整理してお伝えしたいと思います。



ちょっと話が脱線してしまったので、元に戻りますね。

針の穴を通るラクダ?のような確率で、そのような豊かな生活を手に入れたとしても、そこでゴールというわけではないし、そうじゃないからと言って、幸せになれないなんていうことも決してありません。

ご主人の収入の多寡や、自分に収入があるかどうかに関わらず、『今、ココ』でできることをしながら、毎日の一瞬、一瞬を感謝の気持ちで過ごしていれば、心の内側がいつもほっこり暖かくいることができるのです。

そういう人は、自分の世界が確立されていて、マイペースに海外生活を楽しんでいるので、日本人との出会いの場や社交の場には、滅多に出てきませんが、あちこちに潜んでいて、自分らしい生活を営んでいます。

そこの部分の芯がしっかりしていると、一生遊んで暮らしていけるだけの貯金がなくても、親からの援助も遺産が入ってくる見込みもなくても、無理して頑張る必要はなく、今さらサラリーマンになって働くのも面倒だし、専業主婦でいいや!と思って、家でダラダラ好きなことをして暮らしていても、それはそれで良いわけです。


何が正解とか不正解とかありません。


何度も言うようですが、前記事に挙げた経済的自立の例は、ある意味、理想論で、それがなければうまくいかないという意味ではなくて、それがあると、心の保険になりますよと言うことです。

実は、そんなものは何にもなくても、自分はだいじょうぶ、なんとかなるという「根拠のない」自己信頼感があれば、その保険さえなくても安定した気持ちで過ごすことができるというのが本当のところなのです。


ここでのポイントは、『根拠がない』ということです。

誰かに証明してみてとか、証拠を出せとか言われても、何も出せないけれど、なんか知らんけど、魂レベルで知っている安心感みたいなものです。

このレベルの話になってくると、国際恋愛や結婚に限らない精神世界の話になってしまうので、ここでは詳しく触れませんが、この部分がクリアできていると、物事の流れが嘘のようにスムーズになってきます。


ただ、こればかりは、無理してワクワクしてみたり、ポジティブに考えてみるというのとは違って、ただ、ありのままの出来事をありのままに受け止めて、それが良いとか悪いとかジャッジしないでさらっと受け入れて流すというようなことなので、この辺に関しては、また違うテーマで書いていこうと思います。

そして、そのなんかよくわからんけど、なんとかなる感は、見えないオーラとなってわかる人にはわかります。

この女性とだったらだいじょうぶ、何があっても乗り越えていける、今後、転職や失業、脱サラなどで、自分の状況が変わることがあっても、彼女ならついてこれるだろうし、自分も彼女とならやっていけるという安心感を、エネルギーレベルで相手に与えることができるのです。

特に責任のあるストレスフルな仕事をしている社会的地位が高い男性ほど、女性の懐の深さを敏感に感じ取って、そういう女性を妻にしたいと思うので、結婚した後もお互いの深い信頼感と尊敬の気持ちで、結婚生活は安定したものになり、穏やかな平和な家庭を築くことができます。

そこには、女性の社会的地位や財産の有無は全く関係はありません。

そして、美人かどうかというフィジカルな部分もこれまた関係ないのです。


女性が安らぎや自己肯定感を外に求めることなく、心が安定していると、夫婦関係も安定してきます。

それは、女性が仕事を持っているか、外でバリバリ働いているかということとは、関係ありません。


女性の経済的自立について書いた前回の記事と矛盾するようですが、この経済的自立というのは、生活費を女性が半分出すという意味でも、ましてや女性が生活費を全面的に負担して、一家の大黒柱になるという意味ではありません。

女性が自分がしっかり頑張らねばと、身を粉にして働けば働くほど、それに甘えて無職のままという男性もいるのです。

女性に多額な貯金があったり、実家からの援助があることで、働かなくなってしまうフランス人男性も少なくありません。

海外で結婚生活を長く安心して続けていくためには、仕事を持つことや自分名義の貯金があることで、経済的な安心感は確保できますが、それが絶対的な幸せの条件ではないというのは、この辺の部分が大きいのです。



話があちこちに飛んでしまい、うまく結論に結びつけることができませんでしたが、ピンとくる部分だけ受け取っていただければと思います。


前回の記事です。



男性から愛されて幸せになる方法は、こちらの記事も参考にしてみてくださいませ。



元記事: 経済的自立よりももっと大切なこと(ミカリュス・ブルガリスの心の薬箱)August 09, 2016 13:57:00 テーマ:国際恋愛・結婚

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