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随想:心霊体験は楽しい

こういう事を書くと疑われる事は分かっている。書かない方が無難だろう。だが誰もこういう事を言わなくなるとそれはそれで存在しないと思われる。だから当方には、そういう事を書く義務のようなものがあると思っている。(5,590字)

当方は不思議な話を書く者であるが、これでも結構、手加減している。
小説なので、一応フィクションだが、体験的な裏付けもある場合もある。

今回、その全ては語れないにしても、幾つか、実体験を紹介したい。
中には、それは心霊体験ではないのではないか?という話もある。
 
不思議な話、という括りで見てくれても、構わない。
何でこんな話をするのかと言うと、こういう人もいるという証明のためだ。
無論、信じられない人は信じられないだろう。作り話、ウソ吐きだと思う。
 
しかしこういうのには、法則があって、信じない人には基本、起きない。
仮にそういう事が起きても、気が付かない。気のせいだと思ってしまう。
だから、信じている人の処ばかり、起きてしまう。それが法則だ。
 
世界には法則があるが、その展開の仕方は、些か偏っている。
法則を偏らせているのは、いつだって人だ。これはその例に過ぎない。
 
➀2021年夏頃、自宅でNBC Nightly Newsを見ている時
 
『国際情勢:視聴しているニュース動画』で紹介したニュース動画だ。
2021年夏頃、いつものように、ネットでNBC Nightly Newsを視聴した。
普段と音楽が違った。ファンファーレではなく、マイナーコードの調べだ。
 
この時、ちょっと意表を突かれてノートPCの画面を見ながら、固まった。
テキサスでハリケーンが発生し、何人も人が亡くなったと報道していた。
黒人司会者レスター・ホルトも珍しく、沈痛な感じで、話し始める。
 
その時、画面が現場の被害状況を見せるため、現地に切り替わった。
PCの画面から、冷たい風が吹いた。この世の風じゃない。あの世の風だ。
何体かゴーストがやって来て、部屋の電気を消した。三つも消した!
 
机の照明灯、天井の明かり、それからキッチンの明かりだ。
停電ではない。冷蔵庫は動いていたし、ブレーカーも落ちていない。
というか、初見で、テキサスから幽霊が来たと分かっていた。
 
「Ça va? D’ou venez-vous?」(元気?どこからきたの?)
英語を話したつもりだったが、フランス語を話していた。
余程、興奮していたのだろう。気づかないまま、独り話し続ける。
 
不幸な事に、テキサスから来た幽霊たちは、すぐに立ち去ってしまった。
部屋に滞在した時間は、僅か数秒と言った処だろうか?残念!
不成仏霊を取り逃がした。捕まえて成仏させてやろうと思ったのに!
 
その場合、テキサスから来た荒くれ者たちと英会話しなければならない。
「You are already dead!」(お前はすでに死んでいる!)←北斗の拳?
ぜひともやりたかった! フランス語を話してしまったがドンマイだ。

しかしそれにしても、ホントどうやって来たのか?
まさかネット回線に乗って、転送された訳でもあるまいし、考察が捗る。
多分、PCの画面が鏡のような効果を発揮して、繋がったのだろう。
 
あと当方の意識が、ある程度、霊的で、英語にも通じていたので、
こういう現象が起きたのだと思う。姿は見えなかったが、気配はあった。
というか、冷たい風が荒れ狂う感じがあったので、ポルスターガイストだ。
 
心と心は鏡のようで、目と目が合った時、お互いを映し出す。
PCの画面の向こう側にいた霊たちを、当方が認識したから、
日本まで一瞬で来てしまったのだろう。多分、当方の目が原因だ。
 
こんな楽しい事?は一回限りで、その後は起きていない。
発動条件が厳しくて、当方が意表を突かれたのも、影響している。
なぜかあの日だけ、冒頭のファンファーレがなく、悲しい調べだった。
 
しかし、あまり茶化してもいけないだろう。
とりあえず、落ち着いてから、合掌して、冥福を祈っておいた。
英語でテキトーに、主にお祈りしておく。これでよし!
 
なお霊能力と外国語能力は関係がある。具体的には過去世と関係がある。
外国語能力が高い人は過去世の一部が目覚めている。だから外国語ができる。本人は気が付いていないが、実は過去世の自分が、話をしているのだ。
 
②1991年夏頃、神奈川県の神社にて
 
高校生の頃、とある神社に行き、何気なく手を合わせてお祈りした。
すると、ドーンと天から光の柱が降りて来て、神様と繋がった。
その時、divine shaftという単語が、なぜか脳裡を過った記憶がある。
 
しかしその後、お互いお見合い状態になり、何で繋がったのか、当惑した。
この神社に祀られている諸善天神だろうと分かった。小さい神様だ。
だがギリシャ・ローマの神々なら興味があるが、日本の神様には用がない。
 
こういうの、日本的には罰当たりと言うのかも知れないが平然としていた。
IT的に言えば、神様にPingを打ったら、replyがあった感じだ。
OSI参照モデルで言えば、APP層では繋がっていない。もっと下層だ。
 
だから実質的なやりとりはない。ただお互い無言で、相対しただけだ。
悪い神様でもなく、それ程、格が高い神様でもなかったのだろう。
そしてまだ高校生で心が汚れていなかったので繋がってしまったのだろう。
 
間違い電話という奴だ。失礼しましたと言って、その場を立ち去った。
ただ後から考えると、実際に神様と遭遇するのは、貴重な体験だろう。
ただ神様を信じるのではなく、小さいけど本物の神様と接触したのだから。
 
そこら辺のお化けと遭遇するのとは、訳が違う。紛れもなく光の存在だ。
だが神社に祀られた神様を降ろしたという事は巫女的な力がある事になる。
この場合男だから巫覡と言うべきだろう。実はできるという感覚はあった。
 
当時、お祈りすると、脳裡から頭のてっぺんまで光の筋が通り何か見えた。
まだ高校生で、心が汚れていなかったから、祈ると天界と通じたのだろう。
現在は心が汚れているので、無理だ。あるいは理性が強くなり過ぎている。 
 
この状態で、心の修行を続ければ、霊道が開いて、霊能者になれた。
だが古代ギリシャ哲学に興味があり、古典ギリシャ語をやろうとしていた。
すでにアリストテレスの『形而上学』を読んでいる。高校生なのに!
 
学問なんか、あと回しにして、霊的な道を歩めばよかったのかも知れない。
ただ小説も書こうと決めていたので、やはりこの道はなかったと思う。
現在取り戻そうとしているが昔のような感覚はない。理性を鍛え過ぎた。
 
③コロナ前、2019年春頃、会社の業務で
 
60代後半のAccessとExcel VBAのエンジニアがいて、案件を探していた。
この方を、営業して、何とか仕事を決めようとしたが、経歴書が通らない。
どのお客様も、全て年齢で弾かれてしまう。そこで考えた。
 
20代後半の若い男の子が空いていたので、セットで提案した。
お客様は、60代の方はしぶり、20代の若い男の子だけ取ろうとする。
とりあえず、二人でセットなので、とにかく会ってくれで押し通した。
 
お客様と面談となり、若い男の子は通り、60代はペンディングになった。
「どうしてダメなんですか?」
「……ITリテラシーがなさそう。ちょっと心配」
実際、このお客様の予感は的中する。
「大丈夫ですよ。ウチの若いのもつきますから」
「……」
普通、逆じゃね?と思ったのか、お客様は沈黙。
「……とりあえず、考えさせて下さい」
「分かりました。今晩、夢で会いましょう!」
「……?」
「夜寝たら、すぐにお伺いに参りますので!」
そう言って、当方は電話を切り、夜寝た。
そして夢の中で、お客様と会い、60代の方について話し合った。
「通して下さい」
「……はい」
それだけだった。夢の中では、この世的な肩書なんか関係ない。
お客様が部長だろうと何だろうと、当方の方が偉いのだ。
翌朝一番、お客様から電話があった。
「……分かりました。通しましょう」
「ありがとうございます」
ちなみにこの部長さんは、夢の記憶を持っていた。
逆らえなかったらしい。強制力を感じたようだ。
お客様を夢の世界に引きずり込んで、契約を取る。
悪魔営業の誕生だ。こんな営業、反則技もいい処だ。
だが悪い事をすると、悪い事が起きる。
結局、この60代の方は、一か月で案件から落ちた。
自宅からソフトを持ち込んで、勝手に現場のPCに入れた。
アウトである。お客様の懸念が的中した。お客様が予言者だった。
 
④2016年夏頃、会社の社員旅行で
 
当方は営業職だ。CCNALpicLevel1などIT資格を持っていた。
そして当方が所属する会社は、ITを生業にしている。
つまり、エンジニアが宝だ。だがこのお宝、言う事を聞かない。
リテラシーは守るが、モラルは守らないという不届き者ばかりだ。
とにかく、神も仏もあるもんか!という世界観に生きている。
心霊現象とか、奇蹟とか、何も信じていない。とにかく笑い飛ばす。
ある時、あまりに頑迷なので、一度目を覚まさせてやろうと考えた。
 
会社には社員旅行がある。夜、ビンゴ大会が開かれた。
景品は16個あり、ビンゴを当てた人が、箱に入ったくじを引く。
くじには番号が振られていて、黒板に張られた紙と対応している。
その数字の紙をめくると、16個の景品のどれかが当たる。
参加者は80名くらいで、当時の一等はPS4だった。
 
当方は、ビンゴ大会の夜、会社の皆に向かって、わざわざ宣言した。
「最初の一回で、PS4を取る。ビンゴ一番乗りで、一等賞を取る」
突然の発言だったが、皆、聞いていた。だが何言っているんだ?
こいつ、頭おかしいんじゃないか?酔っぱらっているのか?だった。
だが当方は予告通り、最初の一回、一番乗りで、PS4を引き当てた。
一瞬、会場はシーンとなったが、次の瞬間、大ブーイングが飛んだ。
「汚ねぇぞ!」「会社とグルか?」「いかさま、八百長だ!」
そんな言葉たちだ。だがビンゴ大会運営側は否定した。
種も仕掛けもない。ただのビンゴで、本当に当たっただけだと。
一体どういう確率だよ!と怒り出す人も出た。在り得ないと言っていた。
だが経営者が乗り出して、「……営業だから、そういう事もある」
という一言で片づけてしまった。ビンゴはそれで終わった。
 
会社のエンジニアたちは、確かにあの日の夜の事は覚えている。
だが語らないのだ。営業がPS4を持って行った。ただそれだけだ。
当方は皆の前で、奇跡を起こしたが、何も変わらなかった。
信じる、信じないではなく、よく分からないから、無視された。
おまけに面白くもなかった。景品を持って行かれただけだからだ。
う~ん。預言者、故郷に受け入れられずだ。ミッション・フェイル?
 
このビンゴは、当方の強い念と言葉で、運命を捻じ曲げて、景品を得た。
夢の力の応用みたいなものだ。夢でできるなら、現実でもできる。
条件や状態によって制限はあるが、この時の当方はぶっ飛んでいた。
いつもいつもではないが、当方には、こういう力も備わっている。
だが信じる、信じないではなく、無視される。理解不能だからだ。
 
後日談がある。翌年のビンゴ大会は、いつになく、緊迫していた。
また営業が一等の景品を持って行くのではないかと、皆恐れている。
だが一等の景品は、またPS4だった。当方的には二台も要らない。
「安心して、今回はエロゲで勘弁してやるから」
当方は、再び皆の前で、そう宣言した。変な笑いが広がる。
ビンゴの外れ?の景品の中に、毎年そういうのが入っている。
そして再び、奇蹟は起きた。最初の一回で、狙い通りエロゲを引き当てた。

ニュートンと林檎の樹】オープニングテーマ『風の唄』

これがそのエロゲだ。よりによって、ニュートンだった。
意外と面白かったので、会社に感想文を書いて提出した。

終わりに
 
世界は何処まで行っても、「物」と「事」しかないと言う人もいる。
だがそれは昼間の明るさの下で、語るから価値があるのではないか?
真っ暗闇の中で、「物事」を語る人がいたら、それは怪談になる。
 
確かに、世界は昼と夜でできている。太古の昔から変わらない。
そして夜は死者の領域であり、夢の領域である。夢は死と再生の源だ。
人は昼と夜を繰り返して生きている。毎日、死と再生を繰り返している。
 
だから世界の半分は、死者でできている。
その死者たちが、「真実」を語らない訳がない。
彼らも語りたいのだ。そして夜の世界から飛び出して来る。
 
だが現代人は、電気の明かりに、目を奪われている。
夜も煌々と照らす人工の明かりだ。心の目を塞ぐ。見えなくなる。
だが見えているのは「物」や「事」であって、真実ではない。
  
古典ギリシャ語の世界では、お馴染みの言葉がある。ἀλήθειαだ。
アレーテイア、真理とは、隠されていたものが露わになる事だ。真実だ。
  
霊とは、パンドラの箱ではないが、ありとあらゆる怖いものが飛び出して、
最後には希望だけが残る。霊とは、怖いものではなく、本当は希望である。
死と再生は繰り返されるのだ。本当に怖い事は、その循環を妨げる事だ。
  
つまり、闇だ。一度闇に堕ちると、再生が妨げられる。これを地獄と言う。地獄が闇の世界で、全てを覆い隠すのは、死と再生の循環を妨げて、
魂を閉じ込めるためだ。魂が闇の中に溶けて、見えなくなる。
  
だから、我々は普段から死に備えて、予行練習をしないといけない。
闇を恐れてはならない。霊は怖いものではない。霊は驚くべきものではあるが、それだけに真実がある。そして真実は、希望の光となり得る。
心霊体験は楽しいものなのだ。恐れてはならない。      
                                以上
                                   


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