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エンドレス 慶應高校ベスト4

甲子園、今日も熱い試合でした。

長男は慶應高校野球部OBです。
ヒョロリとした色白ロン毛でとても元高校球児には見えませんが。

彼は生まれつきの持病があり、小学校2年の時に東京の病院に入院しました。二週間、ひとりでの入院は寂しかったと思います。
がんばったご褒美的な意味合いで、退院したその日の夜に夫と息子で巨人戦を観に行きました。
チケットは息子がクジで当てました。抜群のクジ運なんです。

その試合で、高橋由伸選手が延長でサヨナラホームランを打ちました。
大変劇的だったそうです。
それ以来、息子の中で高橋由伸選手はとても大きな存在になりました。

退院後も治療で頻繁に東京の病院に通っていたのですが、いつも混んでいて何時間も待ちます。
ある日の診察で「今日は特に混んでいて。3時間くらい待たせてしまうかも」と言われたので、ではその間どこかに行こうかという話になりました。
息子に「どこか行きたいところある?」と聞くと「高橋由伸の慶應に行ってみたい」と。
「三田の慶應大学はそんなに遠くないから行けるけど、そこに野球部のグラウンドはないよ」と言いましたが、それでも行くというので行ってみました。
そしたら私も感激しちゃって。雰囲気に。
すごーい、建物に歴史を感じるー。
もちろん息子の心にも響くところがあったようで「行ってよかった」と言っていました。

その後、慶應高校が甲子園に出場し、長野代表の松商学園と対戦します。
夫が松商の取材で甲子園に行ったので、長男に慶應高校のキーホルダーを買ってきてくれました。(なぜか次男には聖光学院のキーホルダーでした)
その頃から、慶應高校は息子の目標となりました。

私は慶應大学の野球部は知っていたけれど、慶應高校の野球部がどんな部なのかは全く知らず、ネットで調べてみました。
ホームページがとても充実していて、グラウンドの様子や入試についてなどとても詳しく載っています。
そこには部訓もありました。

すごくいい!
超文化系の私の心にもとても響きました。
私は当時の体育会系な野球に対してどうにも釈然としないものを感じていたので、「慶應高校の野球部って一体どんな野球部なんだろう」と、俄然興味が湧いてきました。
そしてその後夫が買ってきた『マイナーの誇り』を読み、こんな野球部があるのかと本当に驚きました。

当の息子はずっと目標を持ち続け、ついに奇跡の合格を勝ち取ります。
(詳しくはこちらをどうぞ↓)

そんなわけで、ようやくタイトルの「エンドレス」なんですが、当時、部訓の一番最後はこうなっていました。

雨と風と延長には勝つ。エンドレス(いつまででもやってやろうじゃないか)

慶應義塾高校野球部部訓より

さっき見たら最新の部訓は「雨と風と延長とナイトゲーム、そして決勝戦には勝つ」になっていました。…増えてる。

「エンドレス」については、2018年の北神奈川大会決勝戦を観戦した息子がこんなエッセイを書いています。

さて、そこで先日の広陵戦です。
追いつかれて延長タイブレーク、表の攻撃で3点取った塾高。
あとアウト3つです。
三振、三振でツーアウトになった後、9回からリリーフした松井くんがフォアボールを出します。
ここで思わず私も口にしました。
「エンドレス」

あとひとり、あと一球って思うんじゃなくって、こんなに痺れる試合、終わるのはもったいない、ずっとやっていたいという気持ち「エンドレス」。「勝ち急ぐ」とか「勝ちを意識する」とか、「あとひとり、あと一球」と思うことで崩れることがありますが、エンドレスはその逆ですね。

あぁ、こういう時の「エンドレス」なんだと思いました。

そして、見事な三振。
本当にすばらしい試合でした。

今日も勝って慶應高校は103年振りのベスト4です。
そして、大会はあと準決勝と決勝を残すのみ。
夏の甲子園の終わりが近づいてきています。

終わるのがもったいない、ずっと見ていたい。
エンドレス。



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