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「自分の薬をつくる」を読んで - 一人で思い悩んでいる人へ

最近、芸能人の自殺ニュースがメディアを騒がせていたり、自分の周りに心の病を抱えている人が何人かいたり、過去に私自身も仕事で精神的にちょっと辛くなってしまった経験もあることから、どうしても他人事には思えず、少しでも何か現状に対してできることはないだろうかと考え、精神的な病や自殺の原因について色々調べていた。

調べれば調べるほど、モヤモヤが募り、「もし最悪の状態を防げなかったらどうしよう」なんていう考えまで頭によぎるようなってしまっていた。

そんな中で、フィンランド留学から帰ってきた友人との夕食会で、たまたま以下の本が話題になり、読んでみることにした (@友人、いつも面白い本を紹介してくれてありがとう)

ここから以降は、本を読んだ感想や気づきを述べていく。

本の内容の紹介は一切せず、思うがままに思考を書き連ねることから始めたいと思う。笑

苦しさはどこからくるのか

みんな「普通の人間はこうだ」という通念に縛られすぎて、苦しくなっているのかもしれない。

普通の人間だったら、できて当たり前の行動ができない自分。うまく「普通の枠組み」に溶け込めない自分。
そういう場面に出くわす度に、問題は自分にあると思ってしまうことで、自分を否定してしまい、どんどん辛くなる負のサイクルにハマってしまっているのかも知れない。

でも本当はもっと柔軟に生きていいはずだし、その方が楽なはず。

社会のカチコチに固まっている価値観や仕組みに、なぜか多くの人は自分を当てはめようとするけれど、その結果辛くなるんだったら、無理して適さない価値観の中でもがく必要なんてない。だってそれは、当てはまらない自分が人間として不十分だからなのではなくて、社会がまだ発展途上だからだと思うから。

社会とは違った進化を遂げてしまった自分を、あえて発展途上の社会に合わせようとするのだから、それはズレが生じるのは当たり前。つまり、合わせられないのは個人の能力の問題ではないのだと思う。そもそも性質が違うので、合わないのが普通なのだと思う。だから苦しんでまで合わせる必要はない。

むしろこのズレを感じ、何とかしたいともがいている状態は、社会のが前進するために必要な課題を自分事化できているって証拠なのではないだろうか。ってことは、これは社会貢献してるってことにならないだろうか?

勿論、当の本人はもがいていて苦しいとしか思えないかも知れないけれど、だからこそ苦しい気持ちを押し殺そうとせず、言葉にしてみて欲しい。同じようなズレを感じている仲間を見つけられる可能性があるから (勿論、相談してダメ出ししたりするような人や、自分の気持ちをより暗くしてしまうような人からは全力で避けてください笑)。

仲間を見つけた結果、もしかしたら、「あ、なんだ、自分だけがうまくできないと思っていたけれど、他の人も似たような気持ちを抱えていたのか」と、自分が感じていた社会とのズレは思っていたほど大きなズレじゃないことに気づくかも知れない。ズレからくる自分の悩みについて誰かと話すことで、きっと一人で悩む必要なんてなかったのだと気づけるのだと思う。
そして自分の抱いていた「普通の人間像」がよりリアリティのあるものにアップデートされていくと思う。

仮にズレが思っていたよりも大きかった場合でも、一緒にそのズレに立ち向かっていく(社会に適合しようとする努力ではなく、自分たちそれぞれに適した柔軟な生き方を模索すること)仲間に出会うことで、お互いの精神の重荷を軽くしていけるはず。

これらのプロセスによって、社会の枠組み、自分が生まれるずっと昔に誰かによって作られた価値観の呪縛から解放されていくのではないだろうか。

呪縛から少しずつ解き放たれ、自分にとっての心地よい普通を見つけて、生活の中に取り入れていく。きっとそれが自分らしく自然に生きられる生き方なんじゃないかな思う

終わりに

いまさら感はあるが笑、最後に本の紹介で文章を括りたいと思う。

この本の著者である、坂口恭平さんは、躁うつ病を抱えていながら、自殺願望やその他のあらゆる悩みで苦しんでいる人々のために、自分の携帯番号(090-8106-4666)を公開し、長きにわたって対話を続けている。

その活動の延長線として、ワークショップという形で、悩みを抱える人々との対話を試みたプロセスが、この本では紹介されている。

自らは医者になりきり、ワークショップに参加した人々は患者になりきってもらうという、不思議な世界観と独特のテンポで話が進んでいくのだが、なぜか次第にものすごく安心感を感じる内容になっている (私だけかな?)。

精神的に辛いなぁと感じる時に読めばきっと、もっと自分に優しくなれるし、自分にあった心の病との向き合い方を見つけるためのヒントが得られるのではないかと思う。

勿論、悩みがなくとも読むことをオススメする。そうすれば、悩みに押しつぶされる前に、自分の心と体を労る大切さを実感できるはず。
そして、周りに苦しんでいる家族、友人、同僚などがいれば、彼らのより良きサポーターになるための手助けになると思う。

時間がないよって方は、あとがきだけでも読んでみてほしい。割と本全体のエッセンスが凝縮されているし、コロナ禍を生きる人々に向けて書かれている。

肝心の本の内容については全く語っていないし、抽象的な表現が多くなってしまった気はするけれど(苦笑)、この文章を読んで、少しでも「自分の薬をつくる」を読んでみたくなったのなら嬉しい。
そして、今悩みで苦しんでいる人の役に少しでも立てたのであれば、少しは私の心も穏やかになると思う。

なので私を助けると思って読んでみてください。笑



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