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イノセンツ (ネタバレ注意)

観ました。

面白かったです。表現が難しいのですが。私の印象は一言で言うと<閉塞感>。
ノルウェーは馴染みがまず無いですし(憧れは有り)緑に囲まれた巨大「団地」が舞台ということも<閉鎖された中での出来事>感を感じてしまいました。追い討ちをかけるように背景は夏休み中で、日本と同様、親は忙しく子供は暇を持て余します。その子供らだけのコミュニティでのお話。

前半までは「あれっどういうジャンルだっけ」と思うくらい、そんなゆっくりした子供らの日々が描かれます。しかし半ばから、「あーサイキックスリラーだったんだよね」と納得する展開に。ホラーといえばそうですが、私はそこより、人々の内面の方に意識が行きます。主役の子供らは皆、心に闇を抱えています。大人の事情に振り回された子供達。どこの国も同じです。大人だってそれになりに必死なのですが。

抱えた闇をアウトプットする子供達。形は違えど良くも悪くも、まさにイノセント(無邪気な、天真爛漫な)です。 そしてタイトルのイノセンツ、語源は無害、無罪、公正 とのこと。そう考えますと、この作品はよく可視化してくれています。

関連作品として観た「わたしは最悪。」同様、カメラワークや、撮影の技で怖さや事件の大きさを表す手法が私は好きでした。 よくあるビクッ!!!!
っとさせられる恐怖ではなく、わかるものと気づかぬもの、その二者を、しかも明るい光の中で描きます。北欧の個性なのでしょうか。

キャストの子供らの演技に脱帽でした。素晴らしい。まるでドキュメンタリーのようでした。特にアナ役の少女。自閉症の役ですが、それが演技とはとても思えない実力。すごかったです。

ひと夏の出来事。何も知らない大人たちと、何も語らず大人になっていく子供達。 

フランス映画よりわかりやすく、景色は美しい。そんな北欧作品を少しずつ観て観たいと思います!

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