- 運営しているクリエイター
記事一覧
#2 Joseph-Nicolas Pancrace Royer La Majestueuse
ロワイエはルイ15世の子供たちの音楽教師でした。 この曲は1746年に出版された「Pieces de clavecin」(全14曲)に収められています。 献呈はMesdames de Franceとあり、ルイ15世の娘達に捧げられています。 ルイ15世には11人の子供があり、うち王女6人、王太子1人、死産1人、夭逝3人、長女次女は双子です。 ロワイエはサヴォイア公国トリノ、現イタリア・ピエモンテ州生まれです。1725年からパリに居住し、音楽教師として、作曲家として活躍しました。1730年から1750年代にかけてオペラ6曲、室内楽曲、クラヴサン曲集など作曲しました。 余談ですが、ピエモンテといえばルイ・クープランのクラヴサン曲集にありましたね。LaPiemontoiseは彼のクラヴサン作品全133曲中102番です。 ルイ・クープランのクラヴサン曲集はアラン・カーチスの編の組曲集が有名ですが、元はPreludeはPreludeで並び、couranteはcouranteで並びと成っていて組曲形式ではありませんでした。余談でした。 この曲はそんな背景の中で作られた作品です。 王女たちに捧げた作品中筆頭の作品がこのLa Majestueuseです。「荘厳な、厳かな、壮大な」、まさに献呈の最初に相応しい作品です。 ちなみにロワイエの生年月日は 1703年説、1705年説、1705?年説などいろいろです。
#9 カトリック新潟教会 J・S Bach プレリュードとフーガ
カトリック新潟教会 新潟市中央区のこの教会は1885年に建立され2度の火災で焼失、現在の建物は1927年、スイス人の建築家マック・ヒンデルによる設計で建てられた。ロマネスク・ルネッサンス建築様式である。21枚のステンドグラスは1996年の大修復の折にフランシスコ会ボローニャ管区からの寄贈で、イタリア フィレンツェのミケーレ・メリーニ工房製。中でも独自なものとしては「佐渡の殉教者」と「米沢北山原の殉教者」の2枚である。またこの教会には日本において最古のオルガンの一つであるパイプオルガンが存在する。1929年に設置されたオルガンは、ドイツのデュッセルパーダーホルン市のAnton Feith社製で空気アクション式、手鍵盤1段、足鍵盤、5つのストップを有する。足踏み空気装置は現在名残でペダルが残っている。 このオルガンは戦前戦後の日本の音楽教育に大きな業績を残したエタ ハーリッヒ=シュナイダー女史に深く関わりがある。ドイツのチェンバロ奏者であった彼女は1941年5月初来日。精力的に演奏活動をし、同年10月には新潟で3回の演奏会を行っている。新潟市公会堂と新潟イタリア軒でチェンバロ演奏会、カトリック新潟教会。まさにこのオルガンでミサを行っている。 シュナイダー女史の日本においての活動や日本音楽研究、そしてチェンバロの普及のための大きな業績についてはまた機会を改めて書こうと思います。 数年前のクリスマス、私は幸運にもこのオルガンを弾く機会に恵まれました。。シュナイダー女史が1941年に演奏したそのまま状態です。バッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻第1番プレリュードとフーガです。シュナイダー女史がミサで何を弾いたかは記録がないのですが、その前後のチェンバロ演奏会では必ず弾いているバッハの曲なのでオルガンでも演奏したのではないかと思われます。 なかなか演奏はさせて頂けない楽器なので、貴重な音源という事で敢えて載せました。