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読書記録『国盗り物語 三』

noteの使い方をいまいち決めていないまま開始してしまったので、何を書けばいいのかなぁなど悩んでおる次第です。
備忘録も兼ねて、読書記録でもつけていこうかしら。

今回は司馬遼太郎『国盗り物語(三)』(新潮文庫)です。
学生時代から日本史では戦国時代(安土桃山)、とりわけ三英傑、というか織田信長が好きでした(逆にそれ以外はからっきし)。
とはいえ、織田信長を主題にした作品を見たり読んだりしていないことに気づき、やはり一度読んでみないわけにはいかないなと手に取ったのがこの作品。
読み始めたのは大河ドラマ『どうする家康』がはじまってしばらくした頃です。
時代小説を読みたいなと思って買ったまま手をつけていなかった『国盗り物語(三)』が手元にあり、ちょうど始まった大河ドラマとあわせて読んでみようじゃないかと思い至りました。

ところで、わたしは小説を読むときに頭の中で登場人物のイメージをつくり、文章とともに映像・一枚絵を浮かべてしまう癖があります。
(SNSを見ていると「これってみんなやっているでしょ?」と、自分のなかでは当たり前だったことが少数派である例も多くて驚きます)
特に映像化されている作品の場合は顕著ですが、そうでない作品も「こんな人かな」と想像したり「これは○○さんっぽいな」と有名人や友人の顔を思い浮かべながら読み進めています。
しかしこの織田信長の場合、本人を描いた肖像画というよりはかつてドラマや映画で演じられた織田信長で想像してしまうわけです。
信長だけでなくその他の登場人物である明智光秀や羽柴秀吉なんかも勿論そうです。
とはいえここ最近きちんと見た大河ドラマだけでも、織田信長を演じたのは江口洋介さん(軍師官兵衛)、染谷将太さん(麒麟がくる)、岡田准一さん(どうする家康)と3人もいる。
これは誰なんだろうな〜〜と思いながら読んでいくと、わたしの頭の中に浮かんできた信長がいました。

染谷将太さんです。

見ていない人は見てほしい、『麒麟がくる』の染谷信長。
江口信長の豪傑さとも、岡田信長のドSキャラともまた違う、あの人懐っこさ(ちょっと悲しさがあって不器用なところもいいね)。
『麒麟がくる』を見ていたときは「ちょっとイメージと違うなぁ」と思っていたのですが、若かりし日の信長について知ると適役だなぁと感じます。
あと、『国盗り物語』の途中でちょいちょい出てくる信長の口癖、「デアルカ」が完全に染谷信長で再生されました。

そんな信長像で読み始めた本作なのですが、
途中から明智光秀が主人公なの?
という流れになります。
ほとんど光秀パートになってきたあたりで、なんと
光秀が大好きになっていました。
仕方ない……これは仕方がないよ……。
歌舞伎者でたわけでうつけの信長に対し、理性的で知性派で理知的な光秀。
この描かれ方は四巻まで続くのですが、対比が美しくどちらも大変魅力的なんですね。
主人公はあくまで信長なんだけれども、光秀はもう一人の主人公と言って申し分ない。
行動派の信長と頭脳派の光秀(しかしどちらも武芸に長けている)が手を組み天下を取ったらどんな世界になっていたんだろう、そんな大きな想像を禁じ得ません。
そんな感じで途中から完全に光秀ファンになってしまい、読み進めながら
「ここからいかに光秀は本能寺の変という、日本の歴史に名を残す一大謀反を企てるに至るのだろうか」
という興味も大きくなっていくわけです。

なんだか気がつけば『国盗り物語』の話というよりは信長と光秀の話(というか『麒麟がくる』の話)になっていました。
しかしとにかく面白い。
作者の司馬遼太郎は元記者ということもあってか、比較的堅めの文章を書かれるところも読みやすかったです。
ちなみに今回のヘッダーは岐阜駅前の金ピカ織田信長像です。

また読んだ本のご紹介もして参ろうと思います。では〆。

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