「書く」は最強、かもしれない。〜読書感想文〜

どうしたってそれは理解できないし、純粋に心が嫌だと叫んでいる。そんな出来事がしょっちゅうあります。


私は自分で言うのもなんですが、とってもとっても心が狭いです。

満員電車の入り口付近で頑なにドア横を死守する人や、改札で微妙に追い越してくる人、生産性のない会話しかしない上司、先輩、パフォーマンスでしか謝らない後輩など…。上げるときりがありません。

また、こういった些細なことで怒りを覚え、態度に出てしまう自分自身に対してだったり、後輩にネチネチと怒ってしまった時など、「なんでこんな自分なんだ…。」と、自己嫌悪に陥ることもあります。


さて、そんな中今回紹介する本は『こころが片づく「書く」習慣(著:古川武士)』。

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※ちょっと余談なんですが、スターバックスのコーヒー&クリームラテって、発売日とか不明の幻のメニューらしいですね…。おいちい。



読もうと思ったきっかけ

本書を購入したのは結構前でした。社会人になってそろそろ1年経とうかたたないかのことだったかと思います。

その頃所属していた部署に対して、色々な不満や不安が私の頭の中を支配していました。

自分勝手な理不尽なお客様、ただただ時間を浪費するだけの残業、業務が多い割に改善されないサービス、労働環境など…。心が荒んでいた、と言う言葉が本当にあっていました。

そんな心の状態をどうにかしたい、と思い、本屋さんをさまよっていた時に、表紙の可愛さ、癒しに惹かれて、購入に至ります。



この本の特徴

まず、この本はただの読み物ではありません。

人が悩んだり、手が止まってしまったり、思う悩む原因はさまざまありますが、共通しているのは、「心がここにない」と言う状態にあることです。

ここ、と言うのは、まさに「今」「この場所」と言う現在のことであり、人が不安を抱くのは過去の失敗や後悔と、未来への不安に対してです。

変えられない過去と先の見えない未来に対して意識が向いているから、現在行動ができず、自己嫌悪や不安、不満にかられてしまうのです。

そうした、「心がここにない」という状態を「心がここにある」という状態へと引き戻すための一つの手段が、「書く」ということです。

タイトルに『「書く」習慣』と書かれているように、本書の中で様々なワークシートが紹介されています。下記のURLにワークシートが掲載されていますので、興味がある人は是非、活用してみてください。

今回は本書を通して何が大切なのか、ということを、抽象的ですがまとめていこうと思います。



大切なこと① 出し切ること

嫌な感情は忘れようと思っても、忘れられるものではありませんし、気持ちを切り替えようと思っても、簡単に切り替えられるものではありません。人は感情の生き物だからです。

そうしたネガティブな感情を抑え込むのではなく、しっかりと出し切ることが大切だと本書では述べられています。

ネガティブな感情を自分の中で抑え込もうとすると、ずっとその感情に縛られることとなり、その状態から前に進めません。だから、一回書いて感情を出し切るのです。


海外へ転勤を命じられた社員の気持ちを前向きにしてほしいという依頼を受けた著者、古川さん。古川さんは、転勤を言い渡された社員たちに「転勤への不安や不満を言ってみましょう」と進言しました。

社員からはもちろん、言語や食事、文化の違いが不安だ、今の環境を急には変えられない、というようなさまざまな不満・不安がのべられました。

しかし、ある一定の不満や不安を出し切った社員たちから次に出た言葉は、「でも、いい経験にはなるよな。」「英語を勉強するいい機会かもしれない」と言った、ポジティブな発言が出てくるようになり、最終的に転勤に対して前向きな気持ちになれた社員が多く出てきました。


こういうことがあって、その時こういう感情を抱いた。それを全て、稚拙でもいいので書き出すこと。そうすると、「でも、こういうところはいい点かもしれない」というようなポジティブな感情が現れるのです。



大切なこと② 自分を把握すること

あれもやらなくては、これもやらなくては…。

私も普段から結構あるのですが、やらなくてはいけないことが多くすぎて、何から手をつけたらいいのかわからない、結果何も進まない、ということ、皆さんにもありますよね?

やることはたくさんあるのに、何も手につかず何も進まない…。そういう結果になってしまう自分が嫌になる。自己嫌悪にもなってしまいます。

そういう時は、「書く」のです。自分が今抱えているタスクを全て書き出すことです。

タスク、と言っても、仕事上のことだけではなく、プライベートのことも含めて、そして、小さなことでもいいので、「やらなくては」と思っていることや「やってないな…」ということを全て書き出します。

そして、書き出した後に、「ではどんな行動をするのか?」ということを隣に書いていきます。

そうすると、今やらなくてもいいことや今はできないこと、そもそもやらなくてもいいことや、すぐにできること、誰かに聞いたり頼んだりすればできることなど、次のアクションが見えてきて、状況が整理できます。

要するに、頭の中を整理して、「今」「この場所で」大切なことだけを把握することができるのです。自分の次の具体的な行動がはっきりするため、迷いや不安が軽減されます。



大切なこと③  未来のワクワクを自分で作ること

やりたいな、と思っていること、大なり小なり、皆さんも持っていると思います。

また、なんだかわからないんだけど、やる気がないんだよな…。という時、ありませんか?私は四六時中そうです。

やりたいけど、やれない。いや、心ではわかってる、やらないんだ…。そんな甘い自分が嫌いになります。


そんな時は、やりたいことを「書いて」みましょう。旅行に行きたいでも、おいしいワインが飲みたいでも、京都に行きたい!でも、大きくても小さくてもいいので、書いてみます。

そして、書いたら、それを具体的にいつするのか書いてみます。

次の連休で日帰りで京都に行こう、今週の木曜日に、あそこのワインを飲みにいこう。

書いて、スケジュール帳に入れてみます。そうすると、具体的に「いつ」「どこで」やるのかが明確になるので、よりやろう、という気持ちになります。


私は先日、フィットネスジムの会員になったのですが、最初は「週二回くらい通えばいいかな〜」くらいの曖昧さで決めていましたが、この本を読んでから、すぐにスケジュールに「月曜日と木曜日、仕事終わりに行く!」と登録しました。具体的にいつ行くのかをきめたのです。

やりたいことに具体的なイメージが加わることで、やることに対するハードルが低くなります。そして、実際にやりたかったことを実行できると、次のモチベーションに繋がります。やる、の連載になるのですね。



自分なりのまとめ〜書くことで「今の自分」を「具体的に」知る〜

涙が出る、大声を出す、汗をかく…。人は「出す」ということがストレス発散につながっている、ということを、どこかで聞いたことがあります。

「書く」ということも一種のストレス発散なのでしょう。そして、書くということは目の前に客観的な事実として自分の目の前に差し出されます。そうすると、冷静に自分のことを観察することができるのではないか、と感じるのです

そして、より具体的に自分の気持ちや状態を知ったり、これからの行動を知ったりすることで、次の一歩がはっきりします。踏み出すハードルがぐっと下がるのです。


どうしたらいいのだろう、いやだな、と思ったら、あなたも、手元のメモでもいいので、ありのままを書き出してみるのはいかがでしょうか?



筆者紹介

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関西圏内でデザイナー/カメラマンとして週末フリーランスをする23歳、女。スターバックスのコーヒーを飲みながらスターバックスで仕事をするのが好き。

朝出勤したらまず、やらないといけないと感じていることを書き出すようにしました。すっきり。


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