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コラボ作品集 最終話〜物想う秋〜


俳句 kusabue


140字小説 吉田 翠

『海原臨みて』

 寄せては返す波のように、繰り返す苦しみに、抗い続けた半世紀だった。
 そんな自分の生き様を、許し愛でるようになった時から、わたしは詩を書くようになった。

 今見つめる海原の先はきっと凪。そよと流れる風を感じながら、わたしは書き続けよう。
 残る力を足に込め、海原の先に辿り着く日。

   その時まで。



俳句 kusabue


140字小説 悠凜 

 『風がはこぶだろう』 

 気がつくと、私は飛んでいた。
 
 かつて人だった身を離れた時も、私は風に乗っていたから、自分が飛んでいる事に安心した。もし生まれ変わるなら『飛び続ける存在』になりたかったから。
 
 ─そう。私はずっと探して行きたいのだ。
 
 私自身を生かす、私自身が生きる場所を。
 
 
 その為に私は、風に乗る鳥になった。




アイキャッチ画像 悠凜
本文イメージ画像 吉田 翠

今回の作品は、同時にサウンドnoteにて悠凜さんが朗読をおこなっています。是非お聴きください。

https://note.mu/yuurin/n/nc9c51e9a236c


昨年の冬にスタートした作品集も、今回の『物想う秋』が最終話となりました。数えてみたら全30話です。これまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
専用マガジン『トリコロールコラボ』がございますので、またお読みいただければ幸いです。

ありがとうございました☆彡

kusabue
悠凜
吉田 翠


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