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惣菜を買うことへのハードル

以前はなんでも手作りをしていました。
職業柄もあるけれど、食べるのも好きだし、作るのも好き、料理の技術もある。こうなると、惣菜や冷凍食品を買うことの意味がわからなかったし、手作りのほうが美味しいと信じていたのもあります。

実際のクオリティーはさておき、手作りのほうが確実に自分好みにできる。でもこれって実は意外とできない人もいるのでは?と気づきました。自分の食べたいものを再現できるのって、ある程度の料理の技術が必要です。そうなって欲しくて、自分の料理教室でも一生懸命教えてきたつもりです。


そんな私が外食で食べるものは…

よって私が外食で食べるものは、「家で作るには時間のかかるもの」や「材料が多くて揃えるのが大変なもの」などが主でした。

スパゲッティーボンゴレビアンコなんかは材料も少ないし、家でもかなり美味しく作れるから、外で食べるのはもったいないな。なんて思ったりして。

惣菜を買うにしても、具材のたくさん入った白和えとか、何種類もの野菜やフルーツ、揚げた魚などが入ったマリネとか。

そんな私でしたが、30〜40代にかけて、お惣菜やデリカの商品開発のお仕事をさせていただいていました。正直、自分ではあまりお惣菜を買うことがなかったので、みんなはどうなんだろうと思っていました。

もちろん、なるべく自然な味で美味しくなるよう最大限の努力をして、開発をしていました。そこは原価計算との戦いで、全てを思うようにはできないのが現実でしたが、それでもたくさんのお惣菜を試食しながら、今どきのお惣菜は添加物も少なく美味しくできているなと思いました。


それでもお惣菜を買うことにはハードルがありました

そのハードルとはどんなものか思い返してみました。

  1. 美味しいかどうか買ってみるまでわからないから怖い

  2. 買ってみて美味しくなかったら、我慢して食べるのが嫌。処分するのも罪悪感がある

  3. どうしても割高に感じてしまう(実際そうでもないのだけれど)

  4. 手作りしたほうが美味しいし、自分にはできると思っている

  5. そんなに忙しくもないのに惣菜を買うのは贅沢

改めて考えてみると色々な理由が見えてきました。

美味しいかどうかわからないのは事実だけど、それは本当に買ってみないとわからないですよね。総合してみると要するに「損をしたくない」という気持ちなのかなぁ、と思ったりもしました。

あと、お惣菜は、子育てもしてフルタイムで働いているような方が利用するもので、そこまで忙しくないのにお惣菜を買うのは贅沢なのでは?という気持ちがありました。
お惣菜も何品か買えばあっという間に1000円、1500円といってしまいますしね。


50代になった今 また違うお惣菜への思い

義理の母は80代ですが、1人で暮らしています。以前の彼女は料理上手でいつも料理をしていたのですが、1人になった今は、ほぼ毎日何かを買ってきて食べています。そしていつも「ありがたい」といいます。
その姿を見て「お惣菜の存在って本当にありがたいな」としみじみ感じます。

もう料理を作るのもしんどいし、1人分だから作る気もしない。そんな未来は誰にでも訪れます。それでも今の時代、私たちはなんでも買って食べることができます。ビーフシチューでも南蛮漬けでも白和えでも。

幸い我が夫は、惣菜や弁当になんの抵抗もありません。むしろ好きです。一人暮らしが長く、ずいぶんお世話になってきたからでしょう。

そして改めて、お惣菜とそれを作ってくれている方々に感謝です!
私も50代をむかえ、無理をしすぎない人生にシフトチェンジしました。贅沢とか手抜きとか思わずに、感謝の気持ちでどんどん利用させていただこうと思っています。

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