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古典文学初心者のアラサー女が源氏物語を読んでみた

源氏物語。ほぼ知識のなかった私のイメージは、容姿やあらゆる才能に恵まれた光源氏の恋模様を描いた物語というだけの印象でした。

いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに、いとやむごとなき際にはあらぬがすぐれて時めきたまふありけり。

文系出身の私はというと、国語は専ら現代文で得点を稼ぐタイプ。古文はさっぱり分からずでしたが、この冒頭文を聞けば源氏物語だなということだけは分かる、むしろそれしか分からない…ような人でした

そんな私が20代半ばに差し掛かった時、急に何かに悟られたかのように(?)「そうだ、日本人なら源氏物語を読んでおかなくちゃ!」と思い立ち、読み始めるとあれよあれよと源氏物語ワールドにどっぷり浸かってしまったのでした。

あくまでも古典文学初心者の感想ですが、同じようにこれから読もう思っている方にとって一歩踏み出すきっかけの記事になれば良いなと思っています!

読んでいる現代語訳

新訳源氏物語 角田光代

現在書店に並んでいる源氏物語は、さまざまな著名な方によって翻訳されているもので、(谷崎潤一郎さんや瀬戸内寂聴さん…)などによって翻訳されています。訳す方よってニュアンスや言葉選びが少し違うようです。それもまた面白いですよネ!

そして私が初読に選んだのは、角田光代さんの新訳源氏物語でした。
これがまた大正解というか本当に買ってよかったな〜と思えるものでした。

この、なんともラブリーなピンクの箱に入って全三巻がセットになっているんです。無類のピンク好きで読書好きな私は心を奪われ、今や宝物の如く我が家の本棚に鎮座しています。
上・中・下の三巻もパステルカラーの可愛い装丁で、そばに置いてあるだけでもモチベーションが上がります。

最近文庫化されたようで、こちらのデザインもまた素敵で近々買おうかなと思っています。

装丁の素晴らしさを語りましたが、角田さんの訳は私のようなド初心者でもとても分かりやすくかつ原文に忠実に書かれています。

物語の中では、登場人物の役職が変わったり女性が結婚したりすると物語上の名前も変わるため、これがまた初心者にとっては混乱してしまう理由の一つでもあるのですが、
角田さんの訳は、古い名前もカッコ書きで記されています。

源氏物語は全54帖(54章のようなもの)構成になっており、それぞれの帖で把握すべき人物相関図が描かれているのも非常に分かりやすいです。
次から次へと新しい人物が出てくるし、それぞれの人間関係もややこしいのですが、それがまた源氏物語の面白さでもありますネ。

(上)第1帖 桐壺 〜 第21帖 少女

上巻は、第1帖〜第21帖までが収録されていて、光源氏誕生から第21帖で光源氏は35歳になっています。
え…上巻を読み終えて光源氏35歳って、中と下ではどんな話になっているとのだろうか?と思った私は、衝撃の事実を知ることになるのです。

「源氏物語の後半って、光源氏の子孫の物語なんだ!」
読む以前の私、本当に知識がなくて恥ずかしいですね。。。

源氏物語の後半は“宇治十帖”と呼ばれていて、京都の宇治を舞台に描かれた光源氏の死後の物語になっているのです。

須磨帰り

「須磨帰り」源氏物語界隈(?)で、俗語として使われている言葉だそうで、私も情報を集めている中で知りました。

源氏物語序盤は、光源氏の誕生や貴族社会の華々しい様子、光源氏の恋愛模様がたっぷりと描かれているので、すらすら楽しく読めるんですよね。

ところが、あることをきっかけに光源氏が須磨に身を引くことになるのですが、須磨の帖あたりでギブアップしてしまう読者も多くいることから、この俗語ができたそうです。

私も例に漏れず、ここで一旦手を止めてしまいしばらく間をあけました。。
でも、この須磨を乗り越えると源氏物語の真の面白さが出てくるので、ここで止まってしまってもどうか読み続けてほしいなと思います。

イメージを変えた光源氏

上巻を読み終えると、私の中の光源氏のイメージはだいぶ変わっていました。
もちろんプレイボーイという一面は拭いきれませんが、それだけではなく戦略家であり面倒見も良い男性なのです。(好き!!!)

また、光源氏だけではなく登場する女君目線になって読むとまた違った印象で読むことができて本当に面白いです。

来年の大河は紫式部ということで、最近本屋さんには源氏物語関連のものがたくさん並んでいますね。
京都や滋賀では、大河にちなんだイベントや展示が開催されるそうで、来年は源氏物語づくしの1年になりそうです。

そして私はつい先日、京都宇治市の源氏物語ミュージアムに行ってきたので、次回はその時のことについて書きたいと思います。

よかったらコメントで源氏物語についての想いを共有してください〜!
ここまで読んでくださりありがとうございました。

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