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「AV出演っていうのもあるからね」と告げられた21歳

21歳の春、だったと思います。

渋谷で声を掛けられて弾みをつけた私は、
在宅でできるアダルトワーク「チャットレディ」を密かに始めました。

チャットレディになってすぐ

「私、結構できるかも」
「向いてるかも」

そう思ったので、しばらくして自宅を飛び出し
"店舗出勤" のチャットレディになりました。

(当時は実家住まい。店舗の方が周囲を気にせず
"音声あり" での生配信ができるし、収入面でも待遇が良かった…のだと思います。)


仕事内容や、生配信中の個別の出来事はさておき。


「自分は『女』として売り物になるのだ」

そんな非常に危なっかしい考えを胸に扉を開いた
外勤アダルトワークの現場ですが、

今度はさらに斜め上をいく
「『女』としての自分を取り巻く事実」のようなものとご対面することになりました。


それがタイトルの

「AV出演っていうのもあるからね」

という言葉です。


店舗型チャットレディの面接に行き、普通に合格し(誰でも合格します)、さっそく仕事の手順や報酬の仕組みについての説明を受けていた時、

「もしお金に困ったら、AV出演っていうのもあるからね」

それが、若き男性店長の口から飛び出した言葉。



……耳を疑いました。


チャットレディも、"アダルトコンテンツを提供する仕事" であることに間違いはありません。

とは言え、
目の前で「AV出演」という自分とは程遠いはずの出来事を、"選択肢の1つ" として提示される体験は、
何とも形容しがたい衝撃です。

こんなに簡単にアダルトコンテンツを提供する人員になれてしまうのか、「女」というのは……。
そんな風に思いました。


「AV出演っていうのもあるからね」

今考えると、その言葉が放たれた時、

店長の目の前には、個人としての「私」、つまり藤崎みき(21歳)はいなかったのだと思います。
彼の前に存在していたのは、稼ぎ手となる「女」、あるいは単なる「女」という記号を携えた人員……。


脱いでも貧相なカラダしか晒せないまったく需要のなさそうな自分でさえ、
「女」という最強の鎧をそもそも身につけているんだ、って後になって考えるようになりました。

だったら、
自分は「女」を使って何ができるのか?
自分の「女」としての価値はどれくらいなのか?
 

……そんな疑問を抱いた時、それが
「女」という記号をぶら下げた自分の
"人生を賭けた実験" の幕が上がった瞬間だったのかもしれません。


……そしてそこから数年後、
私は外部組織に頼らない"完全個人プレー" での実験を始めるのでした。
その話はまた次回。



(※愛人マガジン内の記事と同じような内容を書いていたら申し訳ないです。あの辺りの記事はいろんな意味で怖くて、まだ読み返せません。。。)



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