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「何億円積んでも、キミみたいな子は買えないんだよ」25歳

「『女』という最強の鎧」を、思いもよらぬ一言で体感した大学時代。

そして卒業後、私はその鎧の有用性を確かめるべく動き出します。

水商売でも風俗でもなく、
ネット配信のアダルトコンテンツでもない、
"完全個人プレー" ができるポジション……

「自由恋愛」の延長線上にあるそれは、そう
「愛人」でした。

今でも当時の話をすると、鋭い方は
「でも結局、彼のこと好きだったんでしょ?」と私にツッコミをくださいます。
はい、そうなのです。
お金こそ貰っていたけれど、私は彼に底知れぬ好意を寄せていたのも事実。
だからこそ、抵抗感も薄かったのだと思います。

港区の飲食店で、アルバイトのフロアレディとして働き始めたのが大学の終わり頃。彼との接点は、そのお店で〈客と店員〉としての出会いでした。

中小企業の社長だった彼、
はじめてふたりで店外デートをしてから、マンションを借りてもらうまで、4ヵ月。展開は早かったです。




「何億円積んでも、キミみたいな子は買えないんだよ」

当時、私は25歳。港区のマンションに住み始めて、すぐのことでした。

何かを強制されるわけでもなく、嫌なことをされるわけでもなく、
なぜかトントン拍子でことが進み、不思議な気持ちでいたところ、彼が放ったセリフです。



私が「真面目で礼儀正しいこと」や
「お金を渡しても正社員の仕事を辞めずに続けていること」などを、彼は「キミみたいな子」と評する理由としていましたが、それはそれとして。

喩える金額の大きさも、ともかくとして。


「買われるのか」と。

彼はあくまで肯定的に言ったのだと思います。
それを私も、素直に受け取りました。

でも、嫌悪感というか、"違和感" は拭えませんでした。

だから、
どんなにお金を渡されて、
いい暮らしをさせてもらっても、
心のどこかでずっとその"違和感" が燻り続けていたからこそ、
最後はきちんと自分から愛人を辞めることができたし、
港区から実感に帰った後も、どうにか普通の暮らしに戻ることができた。

そんなふうに思うのです。


「何億円積んでも、キミみたいな子は……」

今思えば、この言葉こそ
その後の愛人経験を予告するものであり、象徴するものだった気がします。
愛人2年間で味わった悲喜交々、「女」取り巻く環境の不思議さが、この一文に集約されているのだと。

「『女』という最強の鎧」、その有用性はたしかにある
でも、記号としての「女」に身を埋めるのは簡単だけれど、そこで思考停止に陥るのはとても危うい。

今はだから、
自分が見て感じてきたことを、伝える番だと思っています。
それが、これからの私がすべきこと……。





20代の各場面で言われたセリフを辿って
自分なりに頭の中を整理してみました。

noteを始めた頃の、「愛人マガジン」内に収録されている記事とは、考え方も少し変わってきているのかもしれません。

長文にお付き合いいただいた方には、感謝申し上げます。



それにしても。

外部組織に雇われるのと違って、
自由恋愛の名の下でおこなわれる"完全個人プレー" って、規制も条件もないから、
一度火がついたら進展が速く、動くモノや金も大きくて果てしなく続いてしまう。

私なりの "人生を賭けた実験" である "完全個人プレー"、
上手に幕を引くことができてよかったと思うばかりです。




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