国際女性デーのバズりから考えた「女性としての生きにくさ」

日本の外に出てから気づいた「女性の権利」についてツイートしたら、共感の嵐でびっくりしました。

日本に住んでる人と話しても「でも最近変わってきたよ〜」とか「日本のこと嫌いなの?」みたいなことしか言われなくて「違うんだ…!そういうことじゃないんだ…!一度外から見てみて欲しいんだ…!」と思ってました。

だけど、この反応見て「私だけじゃなかった」と確認できたのと、反応が色々面白くて視野が開けたので、起こったことや考えた事をまとめます。

◆コトの発端のツイート

#国際女性デー
日本を出て初めて「あれって生きにくさだったんだ」って気付いたこと

外食先の仕草で「女子力」とか測られない。男性ウケとか話題にすら上がらない。妊娠を理由に仕事で冷たくされる心配がない。「若い女性がいるとやっぱりいいね」とか言われない。か弱さや可愛さて評価されない。管理職に女性がたくさんいる。年齢性別関係なく意見を言える。政治家に女性が多く男性目線のみで政策が作られない。男も女も家事育児する。婦人科医が女。性別を理由に給料下げられない。セクハラ発言した人はちゃんと罰される。差別発言した人は法で裁かれる。当たり前のように家庭とキャリアの両立を目指せる。結婚や子供の時期聞かれない。女性軽視な発言があると自分が声を上げる前に周囲が間違ってるって立ち上がってくれる。


◆婦人科の話

投稿する時に、あえて「おじさん」や「年上男性」ではなく、嫌悪感をこめた「おっさん」という表現をしました。

そしたら当然のごとく、「おっさん」って表現を突っ込まれた

「プロ意識でやってる医者に失礼」とか、この表現に違和感をもった人もいた様子。でもね、これにはしっかり私なりの理由があったのです。

日本にいたころ、婦人科に行くと大抵の場合、担当医師は40〜50代の男性でした。私、これがめちゃめちゃ嫌だったんです。

10代で痴漢された時の加害者も、全てそれくらいの層の男性でした。

痴漢あった人は想像できると思いますが、そのトラウマもあり、身体の大事な部分を見せる相手として嫌悪感や不信感からスタートするのは避けられなかったんです。

「そもそもなんで男で婦人科になろうと思ったの!?」みたいな考えが抜けず。だって、男性性器を専門に扱う科に女性医師がいたら「志望理由は!?」ってなりません?

実際、最初に勇気出して行った婦人科で男性医師の担当で超絶嫌な診察を経験してしまい、そのせいで病院に通う気になれず、私の症状の診断は3年ほど遅れました。

女性の3分の2がセクハラ(=性犯罪)を経験すると言われている世の中で、加害者と層が重なる医師に診察されても大丈夫って前提でシステムが回っていて、何の説明・ケアもなしに受診することが“普通”なのは、やっぱりおかしいよね。

女性の視点が反映されてないんだよね。予約の時に確認とるみたいな配慮できるんじゃないのかな。誰もこのシステムに疑問に思った事ないのかな。おじさんって表現はたしかにキツいけど、嫌悪感無しで年上男性医師を見れなくなってしまった女性側の気持ちの配慮をしてない医師・病院側も失礼なんじゃないかな。

※ニュージーランドでは、お客さんがパーソナルトレーナーを探している時にも必ず「男性トレーナー、女性トレーナーの希望はありますか?」と聞きます。ジムで出来て病院で出来ないはずがないよなぁ、と思うんです。

調べてみると、「女性の医師に見てもらいたい」と感じる女性は大多数だそうです。私みたいに「なんで男なのに婦人科!?」みたいな質問や嫌悪感が生まれることがあるのは、すでに統計や研究でたくさん出てるんだから、それに対応するシステムがないのは不自然だよなぁ。

◆女というコンテンツ

引用ツイートの中に、人間としてじゃなくて「女というコンテンツで扱われてる」って言っている人がいました。

この表現、すごく的確だと思った。

フィットネス・ダイエット業界でも日本だと「女性トレーナー」がコンテンツとして使われてることがあってモヤモヤしてたんですよね。キャバクラ式のブランディングしたり、萌えコスプレトレーナーがいるジムが出来てたり。

何年も前に、男性トレーナーから「あなたがコスプレして英語喋ってトレーニング教えたら大繁盛だよ」って言われて突っかかってたのも、私を男性と同じようにスキルを持ったトレーナーとしてじゃなくて、コンテンツとして見られてたからだったんだ…!と数年越しでモヤモヤが言葉になりました。

スッキリしたのと、こうやって時差ありで気付くこととか世の中に溢れてて萎えたのと、複雑な気持ちでムヒーってなりました。

このことツイートしたら、こんな意見が飛んできました。

「『大繁盛』だよ」って言ったんだろ?

「男性と同じようにスキルを持ったトレーナー」なら男性同様に『平常運転』止まりで、それ以上の成果が出せるって言われてんじゃないの?

いわゆる看板娘って概念じゃないの?
なんでそんな卑屈に考えるかな。

苦笑…

私の境遇もしっかり理解せずに、男性目線で勝手に「卑屈だ」と言われて「そゆとこやでー!」「何様のつもりやー!」「あんたが何を知ってんだー!」ってなりました。なんかこういう扱い久々に受けて、刺激的だったというか、苦笑いしかできなかった。2023年だよ!1960年じゃないよ!

「看板娘」を褒め言葉や誇らしい事と思ってる人、まだいるんだね…。“若い女性には華があるから”お店が繁盛するんでしょうね、そんな商売あってもいいね(皮肉だよ)

女性トレーナーもね、コスプレもせず性的にコンテンツ化せず、ただ真っ直ぐ「腕のあるトレーナー」として大繁盛できるんですよ。

日本で女性トレーナーがまだまだ少ないのは、こういった女性軽視の背景も関係してるんだろうなと思いました。向かい風に立ち向かうのには余計な労力いるもんね。

なんで私のようなトレーナーが日本で注目を集めるのかなと疑問に思うこともあるのですが、性的にコンテンツ化することなく、モデルみたいに完璧な見た目で勝負するでもなく、ただひたすらに「男性トレーナーがやるのと同じように」腕で勝負して、フィットネスの最前線で世界を舞台に仕事できてるからなのかもしれないな、と思いました。

大丈夫。ビキニ大会で優勝してなくたって、おっぱいやお尻を強調しなくたって、バチバチの化粧をしなくたって、コスプレしなくたって、お茶くんだり「さしすせそ」使ったり媚びたり自分の意見を押し込んだり権力のある男性と寝なくても、仕事で活躍することはできるよ。

私のことを見て、「こんなことも出来るんだ」って背中押されてる女性(男性も)がいるといいな。

そういう「数ある成功例の1つ」として、今後も走り続けていきたいなと思うのでした。

おしまい!

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