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Employee Experience (EX) を上げる辞め方改革~送別会よりWell-beingアガる壮行会

2023年5月14日、4年6ヶ月働いたユニリーバの最終日だった。

ユニリーバでは、入社早々、仕事では山あり谷あり色々あったが、ユニリーバの価値観「Be Yourself(自分らしく)」や、一緒に働く仲間、自分で働き方を決めるWAA(Work from Anywhere and Anytime)によって、在職中、私のウェルビーイング(Well-being)は確実に高まった。せっかくなら、「私らしい最終日にしたい」と、送別会ではなく自分で企画する壮行会をやらせてもらった。
以下は私が、同僚に提案した企画書。この持ち込み企画を見て、みんな笑ってくれた。そして、私の好きにやらせてくれた。
私がこのセルフプロデュース壮行会を企画した背景には、単にみんなを笑わせたい、というだけではなく、ポジティブ心理学やプロセス指向心理学で学んだ「変化を受け止め前に進んでいくプロセス」に沿っている。私自身が今回体験した感情、想い、など、忘れないように書いておきたい。

別れは、誰にでも辛いこと

私にとって「誰と働くか」は、自分の心理的なWell-beingにとって最も重要である。今回、自分が辞める話を同僚やチームメンバーに話した時、最初のみんなの反応は悲しみや不安だった。時間を経てみんなが私の決断を尊重し応援してくれたが、「大好きな仲間を悲しませてしまった」ということが、私自身の中でも「申し訳ない」という罪悪感が生まれた。辞めるということは、辞める本人にとっても、送り出す側にとっても、大きな悲しみや喪失感、未来の不安を生み出す。

別れを受け止め、新しい関係性を創る

私は自分の中で生まれた罪悪感と向き合い、自分に「どうやったらこの罪悪感を受け止め、次に進めるだろうか」と、問いかけてみた。そこで出てきた自分なりの答えが、以下であり、結果として「セルフプロデュースのWell-being PERMAアガる壮行会」という形になったのだった。
【私の中での思考プロセス】
・まずは「別れる(関係が終わる)」という事実をきちんと受け止めよう。終わりを受け止めることが次につながる。《トランジション理論》
・最後の日は、私だけではなく、仲間と一緒に、今までの関係性に感謝をして、これから生まれる新しい関係性に希望が持てるような時間にしよう。《レジリエンスを高めるストレスマネジメント》
・私から仲間への恩返しとして、私の強み(人と人、人と場を繋げる、場を創る)を活かして、最後の日は、ユニリーバ・ジャパンHRアルムナイと今の仲間を繋げる場を創ろう。《ポジティブ心理学 強みを活かす》


辞め方次第で、未来の関係性が変わる

私は今回「セルフプロデュースのWell-being PERMAアガる壮行会」を企画し、計画を考えている時間を通して、自分として今回の「別れ」を受け止め、在職中に感じていた仲間への感謝や信頼がさらに高まった。それは私自身のWell-beingをさらに上げることに繋がった。実際に、最終日は、みんなと、愛と感謝と笑顔に満ちた時間を過ごすことができた。

ここ数年で、日本でも「退職してもアルムナイとして関係性を続けることの有用性」を理解する企業が増えてきたが、長い間、多くの企業や人の価値観として「退職は悪。退職者は裏切り者。退職したら縁が切れる」という考え方が根強く残っている。しかし、この価値観は、辞める本人には罪悪感を増大させ、自己肯定感を下げる。結果として、在職中に培った良い関係性やその人の貢献までマイナスでネガティブな記憶に上書きしてしまう。
Employee Experience(EX)を上げ、未来の良い関係性に繋げるためには、退職時に、辞める人と送り出す人が、ポジティブな感情になる体験を作ることがとても効果的である、と、今回の私の体験を通して学ぶことができた。


※「退職マネジメント」「アルムナイ活用」「辞め方改革」に関する参考情報
アルムナイを味方に変える退職マネジメント 会社にも離職者にも長期的価値をもたらす | アリソン M. ダグナー,エリン E. マカリウス | ["2021年9"]月号|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

誰もが明日から実践できる「辞め方改革」が、あなたと企業を幸せにする理由 | アルムナイを考える | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)

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