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パリでスリ被害に遭わないために

パリは本当にスリや置き引きが多い。10年くらい前は一時期マシになってホッと一安心していたのだが、ここ数年またひどくなっている気がする。

私がパリに再び暮らし始めたのは去年の5月からだが、実は、戻ってきて最初の2か月で既に3回ほど、中東欧の「ロマ」と呼ばれる移動型民族の子供達に狙われている。

私はもう、彼らを見慣れているせいか、彼らの顔や動作を見ると大体どの子供達が「スリ集団」だか分かるので、幸いな事に事前に防ぐことが出来た。


今回はちょっと「油断」していた

先週末、ベルギー人の友達と夕方会う約束をして、お茶をまずしてから一緒にご飯を食べた。そして21時30分ごろそれぞれ別の方角のメトロに乗った。

最寄りの駅に着いて、私は自宅に一番近い出口の階段に向かった。雨が降っていて、私以外に他に誰もいなかったので、スマホを見ながらゆっくり階段を上っていると、あれ?誰もいないはずなのに何かが私のコートに触れた気がする。私は咄嗟に「わっ!!!」声を上げた。

振り返ったら、なんと男が私の後ろにピタッとついていて、既に右手に私の黒い財布を持っていたのだった。私はフランス語で「何やってるの!?」と叫びながらすぐさまその財布を取り返した。

彼は「Desolé (すみません)」とフランス語で言ったのだが、私の怒りは収まらず、今度は日本語で、(恥ずかしながら…)「何やってんだ、この野郎!ふざけんな!!!」などと思いっきり怒鳴ったら、彼は「Sorry, Sorry」と英語で何度も繰り返し、駅の方に逃げていった。

間一髪だった。

いくらパリ生活に慣れているとはいえ、本当に「油断禁物」だなと、改めて思った瞬間だった。


数え切れないほどスリに遭遇

私は以前にもスリ未遂や置き引き未遂に本当に数え切れないほど遭っている。咄嗟の判断で幸いにもそのほとんどが「未遂」に終わっているが、実際に被害にも遭っている。携帯を気がつかないうちに2度ほどすられたのだ。

そして、一旦取られて取り返した経験も実は今回だけではない。以前に2度ほどあって、1回目は、道路で電話をしている最中に携帯を正面から取られ、それを取り返したこと、そして2回目はメトロの中で財布を取られたがそれに気が付いて取り返したことだ。

私にはどうやら「取り返す」癖があるようだが (苦笑)、スリ集団の子供達に殴られたりした友人の友人の話を聞いたことが何度かあるので、皆さんには絶対にオススメしない。事前に出来るだけスリに狙われないような対策をとろう。


スリが多い場所

ズバリ、観光客の多いシャンゼリゼ通りやセーヌ川周辺、オペラ座周辺、ギャルリーラファイエットなど百貨店の前はスリ集団が外国人を物色しているので細心の注意が必要。人通りがあるからといって油断してはならない。スリは逆に人混みに紛れてあなたのバッグやポケットを狙ってくる。

レストランの中もかなり注意が必要。特にバッグやコートなどを自分の椅子にかけておいたり、空いている椅子に置いておくとそこからかなりの確率で財布を盗まれる。
テーブルの上に置いたスマホも要注意。目を離した隙に突然目の前に現れた置き引き犯に取られてしまうことが本当によくある。

私はバッグは必ず足元に置き、両足でバッグをまたいだり、ストラップを足にかけたりして常に足とバッグが触れた状態にしているが、1度だけ、ショルダーバッグを足元の「斜め前」に置いておいたら、数十分後に何故か「横」に移動しているのを見つけた。どうやら私のバッグを店外から狙った男が私の後ろのテーブルに座り、少しずつ段階的に自分の方にバッグを寄せる作戦で盗もうとしたらしい。
幸いにも未遂に終わり、男は何も注文せず、何も盗らずに逃げていった。

メトロは、電車の中に入る時が一番危険だ。時には子供のスリ集団4、5人に電車の入り口で囲まれて財布を取られることがあるので、変な子供達がいたら気をつけるのと、電車に入ったらできるだけ入り口に居ないで奥の方にに行ったほうが良い。

空港からパリに向かって走る電車「RER」のホームにも要注意。荷物を持ってあげるよ、とか、地図を広げて親切に行き先を教えようとする複数の人物などが寄ってきたらそれはあなたの財布を狙っているのかもしれない。バッグをしっかり持って、何を言われても無視あるいは「NO」と、毅然とした態度をとるのが得策だ。



どんなバッグが狙われる?

まず、外側にポケットがたくさんあるバッグやリュックサック、斜めがけのバッグなどは気をつけた方が良い。ポケットがあると結構な確率で狙われる。また自分の後ろ側にバッグがあると仮に触られても気が付きにくいので絶対にバッグを後ろ側 (背中) にまわさないこと。

冬だったらコートの内側、コートを着る前にバッグを肩がけしてそれからコートを着ると外からは盗られにくくなる。

開口部はマグネット製や口が開いているものより、ファスナーでしっかり閉められる方が安全。私はターンロックで開け閉めするショルダーバッグを持っているといつも狙われる。

あと、ブランド物のバッグは当然ながら狙われやすい。私も仕事で自社ブランドのバッグとか持っているとグンと狙われる確率が高かった。だから年末や週末で人混みの多いところに行く時や、私自身が疲れていて注意力が散漫しているときなどは敢えて安いショッピングバッグやトートバッグで出かけて、スリの気を極力引かないようにしている。



このように書き連ねると、パリって怖いと思われるかもしれないが、ちょっとした知識と心掛けさえあれば、スリは寄ってこないし、危険を未然に防げるので、あまり怖がらずに「花の都」パリを是非楽しんで欲しい。






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