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【1分脳科学】「大脳辺縁系」本能を司る動物の脳

※こちらは個人的にまとめた学習ノートです。

大脳辺縁系とは

大脳の奥深くにある部分の総称で、情動や記憶、嗅覚、生命維持などに関わる重要な機能を担っています。大脳辺縁系は、進化的に古い歴史を持ち、嗅葉と関連しています。大脳新皮質と比べ古くから存在する皮質で、旧皮質ともいわれます。魚類でも見られる部分で、動物が高等になるほど新皮質の占める割合が大きくなるのに対して、辺縁系の発達にはあまり差がなくなります。これは辺縁系が動物に共通な機能に関係しているからです。

大脳辺縁系の構造

大脳の中心部にあり、左右の大脳をつないでいる脳梁。それを取り巻くように配置されているのが大脳辺縁系です。大脳辺縁系には主に以下の部位が含まれます。

  • 扁桃体:情動や恐怖に関与する部位で本能的な「快・不快」を感じる部分です。アーモンド(扁桃)に似た形状をしていることでも有名です。覚醒度や防衛反応を制御しています。

  • 海馬体:海馬や歯状回などからなり、記憶の形成に重要な役割を果たす。

  • 帯状回:大脳辺縁系の中でもっとも大脳新皮質の近くに位置します。偏桃体から発せられる「快・不快」や、視床下部からの欲求を取りまとめて大脳皮質に伝えるえ「意欲」のもとになります。

  • 乳頭体:視床下部の一部で、記憶の形成に重要な部位である。

  • 脳弓:海馬と乳頭体などの大脳辺縁系の部位をつなぐ神経線維束です。脳弓は記憶や情動に関与する神経回路の一部を形成しています。

  • 中隔核:嗅皮質の一部で、快楽や報酬と関連する。

これらの部位は、さまざまな神経回路を形成しており、それぞれが相互に影響を与え合っています。代表的な神経回路としては以下のものがあります。

  • パーペッツ回路:海馬→脳弓→乳頭体→視床前核→帯状回→海馬傍回→海馬という閉鎖回路で、記憶の符号化や検索に関与する。

  • ヤコブレフ回路:扁桃体→視床背内側核→前頭眼窩野内側部→側頭葉前方→扁桃体という閉鎖回路で、情動や報酬と関連する。

参考リンク

(1) 大脳辺縁系 - Wikipedia

(2) 大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)とは? 意味や使い方 - コト

(3) 大脳辺縁系とは|海馬と記憶と空間認知|imok Academy


(4) 大脳の機能と構造ほか「頭頂葉」「側頭葉」「後頭葉」「前頭 ....

(5) 大脳皮質、辺縁系、基底核 

 (6) 大脳 | 三京房 心理学事典.



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