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嫉妬のエネルギー

『私、何だか知らないけど、女子と仲良くなれないんだよ。』と娘が言った。
「食後すぐスマホ触ってて、人の話聞いてない風に見えるからなのでは??」と食後すぐスマホを触っている娘に私が言った。
『違うよ、なんか嫌われてるのかなって。席替えして、私と近くになった女子が溜息つくんだよね。あと、男子と話してると「あいつら付き合ってんの??やばくね??」って言ってくる。』

…そう言う子、私のクラスにも居たなぁ。中1の頃の記憶が蘇ってきた。
隣の席になった男子、すごい面白い子だった。
野球部で、坊主ヘアで。休み時間になると、透明な下敷きに油性ペンでヘビの絵を描いて、机の上をスーッとすべらせて、「ヘビニョロニョロ」と突然つぶやく。それを見ていた男子が数人その子の机の周りを取り囲み、ヘビニョロニョロをしながら、昨日のテレビの話やジャンプの話とかをしている。ヘビニョロニョロと、スラムダンクと全く関係ないのに、無表情で淡々と下敷きをすべらせているその光景が面白くて、見ていた私は何だか笑ってしまったのだが、授業が始まっても、その子は下敷きをすべらせて遊ぶ手の感覚が残っていたのか、英語の時間にそのヘビニョロニョロを無心でやっていた。先生が「なんでそんな事してるの?授業に集中しなさい」って注意したら、
「だって手が勝手にニョロニョロするんだもん。ねぇ??」と私に同意を求めてくる。面白いから、
「ねぇ、う、うん。」と同意すると、満足そうに笑っていた。
それからしばらくして、私とその子が両思いだという噂だよとクラスの友達から聞いた。
「みこが好きなんだろ??」と茶化された坊主ボーイは、「全然そんなんじゃねーし。」と言った。それを聞いてちょっと胃の辺りが痛くなったけれど、それはそれで別に良かった。
その頃から、体育の時間に同じクラスでバレー部の麻子という女子と、バスケ部の範子という女子にボールをパスされて私がミスすると、暴言を吐かれるようになった。
私は、転校を経験していたし、多分他の人と違って世の中この狭い学校だけじゃないと思えたからメンタル強めなのかもしれないので言うけれど、正直この2人に勉強の成績で負けていなかったし、平気で暴言を吐けるような事を心のきれいで優しい人はしないと思っていたので、自分の醜さをわざわざさらせるメンタルの方がすごいわ、ドンマイ。と上から目線で思っていた。
1ヶ月ぐらいしてクラスの女子親友が隣の市に引っ越した。美人で背が高くて、さっぱりした性格だったのでこの子といるのが楽しかったのだけれど。(麻子と範子も加担して、この子を無視するような事件があり、親の職場に近い隣の市に引っ越す事にしたのだけれど、この話詳しくはまたいつか…)親同志知り合いだったし、その親友が居なくなってからも、その子の家や私の家を行き来していたから、連絡を取り合っていたのだけれど、急に引っ越す事になったので、引越した後にクラスの全員から手紙を書いて送るという事があり、その時にクラスのみんな各自が親友女子に書いた手紙を親友女子が私に見せてくれた。麻子からの手紙には、「もう引越したから秘密言うね。好きな人って居る?私は坊主ヘアの子なんだー。だからみこの事が大嫌いなの」と書いてあり、範子は「坊主ヘアの子が好きなんだけど、どう思う??」と書いてあった。
親友は「どうでもよー!!麻子やら範子やらの好きな人が誰であろうと、マジどうでもよー」と笑っていたが、
分かる??嫉妬だったんだよ、全部」と真剣に言った。
この話を娘にすると、あー。腑に落ちる。と言った顔でニヤニヤしていた。そして、
「芸能人がキャバクラに行ったとか、不倫したとかいうニュースってなんで炎上するんだろ??」という話になった。

通りすがりの知らないモブキャラが、キャバクラに行こうが、不倫しようが、パチンコに行こうが、結婚しようが、離婚しようが、勉強しようが、さぼろうが、お金を稼ごうが、子供が居ようが、居なかろうが、別に全くどうでもいい。
ただ芸能人や知人だとザワザワする人がいる。
これって結局嫉妬なんじゃないか??

お金も名声もパートナーも子供も手にしているのにまだ他にパートナーを欲しがってんのか。どんだけ手にすりゃ満足なんだ、この人は。
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これは自分にはお金も名誉もパートナーも子供も居ないから、自分にはないものを持っている人を見ると出てくるブロックなのかも。

(ちなみに私はこう考えている。
「結婚しているのに不倫するのは悪い事」
本当にそうかな?結婚していても他の人を好きになる事はあるだろう。そもそも結婚したら他の人を好きになってはいけないと思っているのはなぜ?誠意ある人なら「他に好きな人が出来たんだ」と言ってお別れするだろう。誠意がないからお別れも出来ずに自分も周囲の人も傷つけているだけだろうにね。)

エネルギーに良い悪いもない、と聞く。
他人の成功も自分の成功も同様だと思うようにするといいとか。
タイガーウッズは対戦相手がホールにボールを狙っている時「入れ!」と自分の事のように念じていたそうだ。それで自分の時にも素直に入ると思え、世界一になれたとか。
次は自分の番

相手のパッドも入れと願う。
相手のチケットも当たれと願う。
相手が幸せに感じる時間が増えろと願う。

そうするときっと自分のパッドは入るし、
自分のチケットも当たるし、
自分も幸せを感じる時間が増えるのかもしれないなぁと思った話。


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