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李家に生まれて #15

台湾大学日本人学生会

字面で見ると、仰々しいが、
ただの学生の集まりである。

調べたら今でも脈々と?会は続いているようだ。

当時は日本人で台湾に留学し、なおかつ正式な学部生として
在籍している学生の数はかなり少なかった。
日本の大学の提携で語学留学や短期留学に来ていた学生のほうが多かった。

つまり、会の幹事になる順番はいつかは回ってくる。。。

入学した当初に参加した食事会で、私は悟った。

もともと、台湾生活で日本人と交流しよう
というより、むしろ避けていたほうなので、

いよいよか。。。(うげー)

と思っていたものだった。

そんな私も、さすがに院生になり顔が広くなったこともあり、
腹をくくることになった。
今まで会の運営に全く携わっていなかったのに、だ。

その時、腹をくくると同時に当時の幹部に

「私、壊すからね」

と脅したのは若気の至り(てへ)

右も左もわからないので、私が好きなことをするしかないのだ!

幼いころから、目上の人や先生に対して
礼儀を重んじることをよく言われてきた。

会はただの任意の集まりではなく、
れっきとした大学の公式の団体である。
ということは、その団体に対して責任を持つ顧問の先生がいる。
早速、日本語学科の服部先生のもとにあいさつに行った。

先生からは

今まで団体ができて、あいさつに来たのは初めてよ

と、おっしゃっていただいた。

あれから、たくさん先生にはお世話になった。

ほとんど引き継ぎもないゼロからの運営だったこともあって、
それまでの体制を小さなところから着手することにした。

私が今までの体制で気に食わなかったのは、

日本人しかイベントに参加しない

というポイントだった。

親日家が多く、日本の文化が大好きで、
日本語を習いたい人たちが多い台湾で
もうちょっと外の人たちが参加できる
交流イベントがあってもいいじゃないか、と。

そこでやったイベントは結果

参加者80人越え。

このイベントを一緒に作り上げてくれた友人たち、
参加してくれたゲストのみなさん、
本当に感謝しかない。

あの時にお客さんが会場いっぱいで
キラキラした目でイベントを楽しみに来てくれたこと
大勢の人たちの前であいさつさせていただいたこと
日本人や日本語学科の学生だけじゃない
台湾人のみならず他国の人たちが来てくれたこと

思い出すと涙が出てくるほどうれしい気持ちが沸き上がる。

今改めて、感謝と喜びをかみしめられるくらい、
私は幸せのさなかにいたんだなあと実感する出来事だった。

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