別に今日言われたわけじゃないけど、「悩みがなさそうだね」って言葉が嫌いだ。

何の気なしに言った言葉だというのはわかるけど、そんなこと言われたら、「まあね」以外に返せる言葉があるだろうか？

でも、そんなところまで規制してしまったら、誰とも会話ができなくなってしまう。

そんなことわかってるけど。

前に、精神的に病んでしまった友だちがいて、それを別の友だちが慰めていたことがあった。

わたしも以前病んでしまったことがあるから、気持ちはとてもわかるのに、「あなたは大丈夫だよ」なんて言われて深く傷ついたことがある。

人の傷口の深さが、他人にわかるものか。

本当は言いたかった。

辛くて辛くて、夜中に歩道橋をぼんやりと見つめながら勇気もなく歩いていたこととか、原因不明の咳に苦しみながら幾晩も眠れなかったこととか。

でも、そんなことを言っても「今」じゃないし、ただの不幸アピールで、何にもならないから口をつぐんで「そうだね」って笑った。

人の心なんて、推し量れない。

それを、「〜そうだよね」という軽い口調を叩いてわかったような気にならないでほしい。それを言われてしまったが最後、そう振る舞うしかなくなってしまう。

その言葉は「呪い」だ。

相手の言葉に応えようと思ってしまう。だって、そう思ってほしいんでしょ。そっちのほうが、都合がいいんでしょ。

良かれと思って伝えた言葉が、マイナスを帯びて相手の記憶に一生残ることだってある。

だからと言って、深いところに踏み込まなければ、関係性はずっと薄っぺらいままだ。

トラウマなんて透けて見えるものでもなかろうに。

我ながらものすごく難しいことを言っているのはわかるけど。

考えすぎると言葉が出なくなってしまうのもわかるけど。

せめて言われた言葉に対しては、「そんなことない」ってちゃんと言い返せるようになりたい。大切な人にだけでもいいから。