モラハラを生み出しているもの

入籍をしたのは5月でしたが、同棲は半年前から始めておりました。彼は一人暮らし経験がなく、家事が全くできませんでした。料理もやる気はあるけれど何をしたらよいか分からない。そのため、私が帰ってくるまで待って、私の指示の下、一緒に料理をしておりました。

はじめのうちは私の仕事が早く終わっていたので良かったのですが、ある時期から忙しくなり、帰宅が20時を過ぎるようになりました。それでも彼は私を待っていて一人ではご飯を作りませんでした。買い物も行かないので、私が帰りがけにスーパーに寄り、それから一緒に作るという生活でした。ところが、段々と料理を教えるのも面倒になり、「待ってないで自分で作れ」「疲れてるんだから自分で考えろ」「クックパッド見ろ」とイライラしておりました。

そしてある日、ついに我慢の限界がきました。

彼の帰りが遅い日、私はいつも通り20時過ぎに帰宅をしご飯を作って待っていたら「ごめん、今日は外で食べて帰るね」とLINEが。

いらないならもっと手抜きしたのに、もっと早い段階で分かったでしょ・・・と怒りが沸いてくるとともに、「私は彼にご飯を作って待っているのに、なぜ彼は作って待っていてくれないんだ」「生活費は私の方が多く負担しているのにおかしくない?不公平」と思い始めました。

今までの不満がどんどん募ってきて、ついに「稼いでないなら家のことやれ」といった内容を伝えてしまいました。彼はすごく素直だったのと自分の稼ぎが低いというコンプレックスが前からあったため、何も言い返さず「分かった」と一言いうだけでした。そして、その翌日から自分で買い物に行き、クックパッドなどを見て料理をするようになりました。

「稼いでないなら家のことをやれ」

モラハラのセリフとして取りざたされますが、私はそれを言ってしまう気持ちが少し分かります。

仕事でいろんな人に指示を出して、同僚や客先のフォローをして、家ぐらいはくつろいで何も考えたくないのに家に帰ったらパートナーに指示を出さないといけない。あなたは時間がある(ように見えている)はずなのに一体何をしていたの?自分ばかり家計を負担してなんだか不公平。

でも、それが出てくる状況って仕事が忙しくて心に余裕がない時なんですよね。自分ばかりが忙しい気がしてきて、パートナーばかりが楽をしているように見える。私の場合、一時的な忙しさだったので、その時期を越えると定時で帰れるようになり、また一緒に料理をするようになりました。モラハラのセリフも言わなくなりました。

心の余裕のなさがモラハラ夫・妻を生み出していると私は思います。みんなが定時で帰れるようになり、フレックスタイムを使って自分の生活に沿った働き方ができるようになったらモラハラ夫・妻は減るのではないでしょうか。

「モラハラをやめましょう」なんて言う前に、ストレスなく働ける社会を作り上げることが大切だと彼との生活を通じて学びました。

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