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悩むことができるのは、変わっていく力があるということ

先日、保育者を目指す学生の皆さんにお話しする機会をいただきました。
テーマは、心理職の立場から見る「子育て支援」について。

こうしたご縁をいただけたことがとても嬉しく、記録に残すこともかねて記事を書いてみたいと思います。


お話をいただいてから、何をお伝えしようかとても悩みました。
悩んだ挙句、時間も限られるので、ポイントをかなり絞って準備をしました。
その中でも、以下の3つが特に学生の皆さんの心に届いたようでした。

毎日、子どもや保護者と会うということは全然当たり前ではない。毎日会うということが信頼関係構築につながっているし、毎日会っている保育者の考え方や感じ方の影響を、子どもも保護者もじわじわ受けとっている。毎日会っているだけですごいこと、すごい力を持っていること。

・子どもや保護者を「理解する」ということが大切だと当たり前のように簡単に言われてしまうけれど、それはとても難しいことだし、すべてを理解するなんて無理。ただ、理解はできなくても、受け止めること、その存在を認めることはできるし、それだけで十分力になる。理解できない自分はダメだと思う必要はまったくない。

・子どもの些細な変化や感情を受け取る保育者の感性は本当に素敵だし尊敬している。その感性を最大限発揮していってほしい。そのためには、自分に余裕があることが必要不可欠。余裕がないと感じられるものも感じられなくなる。保育者を目指す人は優しい人が多くて自分を後回しにしがちだけど、まず自分に優しくしてあげることが周りの人へ優しくすることにつながる。


学生の皆さんなりにたくさんのことを感じて考えて悩んで、その中で私の話を聞いてくれたのだと最後にわかって、嬉しい、というと少し語弊があるかもしれませんが、でもやっぱり嬉しいなぁという気持ちになりました。
たくさんたくさん悩む力があるということが、とても嬉しいし楽しみだし、これからももっともっと悩んでいってほしい。

悩む力があるということは、まだまだ変わっていく余地があるということ。それは素晴らしい力だとあらためて感じました。
そしてその時に、適切に導いてくれる大人が近くにいてくれることがものすごく大切だとあらためて思いました。

悩んでいるときは、ある意味どっちにもいける。
自信をもつ方にも、自身をなくす方にも、いける可能性がある。
そんな時に、あなたの感覚はとても素敵だよ、そんな風に悩んでいることが誠実に取り組んでいる証だよ、大切なものをちゃんと持っているからこそ出てくる気持ちだよ、と、もっともっと素敵なところが発揮できるように導いてあげられるか。
私はそういう関わりをしていきたい
のだと、あらためて感じました。


私が関わることができるのはこの一回限りですが、この短い時間でも、学生の皆さんが抱えていた不安や悩みがほんの少し軽くなったようで、こうした関わりの中でできることも少なからずあるということがわかったのは、私にとって大きな大発見でした。

こうした機会をもっともっといただけるように、これからも精進していきます。

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