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「trajectory」

「trajectory」
軌跡

写真技法と自分の手で描画する行為を組み合わせることへの興味からはじまった作品です。
モチーフを写真撮影し、photoshopで編集、ネガポジ反転させたものをプリントアウトします。
それを元にボールペンでフィルムにトレースし原稿をつくります。
イメージを描画する際、ポジの状態で白の部分、つまり光の当たっている部分を描いていきますので、それは光を描く行為とも言えます。人間は光が反射することでものの存在を認識できるという視覚現象から、光の軌跡を追い、ものの姿を浮かび上がらせることを試みています。

印画紙に現れるイメージは一見すると写真にも見えますが、人の手で描かれたものゆえの歪みや不安定さは、光によってその存在を認識でき、暗闇では存在しているのかすらわからない不確かなものの姿です。そうした不確かなものたちに手を触れながら形を追っていく行為は、ものの存在を確かめることでもあり、自分自身の存在について思いを巡らせる行為でもあります。

フォトグラム
2016-

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