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【物語】物語が世界を紡ぐ

物語が紡ぐ糸が、この世界にはあると思う。

それは私の心に優しく触れてきてくれた。

図書館の扉を開けるたび、新たな冒険に旅立つような気分になる。

私は名前も知らない作家の言葉に何かを求めている。

その独特の魔法は、ただの文字が生きるように私に語りかけてくる。

こんなことを言うと変人扱いされるようだけれども
これはホント。

図書館は、いわば魔法使いの聖域。

そこに行くことで、世界はどこまでも広がり、
昨日よりも色鮮やかになっていく気がする。

小さな町の角に佇む、静かで穏やかな図書館。
そこが私の聖地。

木製の本棚がその独特な香りを立たせ
落ち付いた静かな照明が、穏やかな雰囲気を作り出している。

私はそこで毎日、ページを開くことでどこか別の世界へと旅に出る。

紡がれた物語の世界で、私の心は自由に動き回る。


そんなある日のこと、ひとつの本に出会った。

その表紙は星々で彩られ、シンプルだけれどもどこか異彩を放っていた。

中には……未知の世界が広がっていた。
まるでそう……本当の宇宙みたいに。

物語の中で、主人公はあらゆる困難に立ち向かい
友情や愛について知っていく。


その尊さ、その残酷さを……


ページをめくるたび
私の心は彼女と一緒に揺れ動いていく。
一緒に泣いて、一緒に怒って、一緒に感動して……

まるで親友のように
まるで……いつもそばにいるかのように。


「物語が世界を紡ぐ」


私はこの言葉が好き。

この言葉の奥にはそう……

先人たちが経験し、感じた、
ありとあらゆる瞬間が織り交ぜられ、

不思議何かを織り成しているようだった。


物語の世界で出会った
数々の友人・恋人……そして敵でさえも
私の中では新しい何かを生み出している。


図書館が創り出す不思議な静けさの中で、
私は人生という物語について、より深く考えていく。


本という魔法の道具を手にして、
物語が世界を紡ぐ様子をまじかでみて……

いつか……
いつかその紡ぎ手となることができるのか

あるいは誰かがそれを心待ちにしてくれているのか……
そんなつまらないことを深く考えてしまう。

そんなこと……
考えなくてもよく分かっているのに。



図書館の奥深くに置かれていた一冊の本は
古びた装丁と静寂を湛えていた。

雰囲気から、それはまるで魔法そのもののような存在だった。


手に取ると、私は何か得体のしれないものに
どこか遠い世界に手招きされているように感じた。


その本のページを開くと
私は今からとても遠い遠い時代へと飛ばされてしまった。

いや……自分から飛んで行った

本が、それを手助けしてくれただけ。


歴史の日の当たらない……奥深くに潜んでいた物語が
不思議と私を魅了していく

教科書で読んだ過去の出来事が、異国の風景が、
目の前に広がっていく

まるで夢のように私を包み込んでいく


物語が紡ぐ糸が、今度は新しい……今までとは少しだけ違う自分を
織り成し始めているような気がする。


本を読むことで、眠っている想像力がゆっくりと目覚める

誰の心の中にも眠っている存在が

言葉の中に詰め込まれた魔法が心を奏で、新しい何かを描き出していく。


図書館の中で、そんな不思議な錯覚に陥った。


物語の中で感じた感情や出来事は、日常に深い影響を与えている気がする

喜び 悲しみ 希望

感情が心を彩り豊かにし、より人間らしくしてくれる。


図書館で出会ったその一冊の本は

私に知らない世界を教えてくれた

心に芽生えた夢を育ててくれた


物語が紡ぐ世界の中で、私は今日も、新しい何かを見つける。

そして、それが私の周りの世界にも影響を与え、
未来を紡いでいく気がする。



物語が世界を紡ぐ

そしてその紡ぎ手として、新たな世界を創ろうとしている

次なるページが開かれることを願って……

だから……
今日も私はどこかへ旅に出ている。

図書館の静謐な空間から織り成される異世界へ




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あとがきにかえて


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